2015.07.16
仕事や人間関係においても「在り方が大事だ!」という話を聞いたことがある方は多いと思いますが、「在り方」が何を指しているか明確なイメージを持っている方は少ないのではないでしょうか?
様々な観方があると思いますが、弊社では、「在り方=アイデンティティー(自己認識)」と定義しています。
そして、在り方を変化させるためには、まずアイデンティティーを構成している7要素を理解し、その深さについても知る必要があります。
目次
7要素は、アイデンティティーを構成する7要素で詳しくご紹介しましたが、項目だけ挙げると以下のとおりです。
①立場
②時代
③環境
④状況
⑤国家・民族
⑥思想・哲学・宗教
⑦組織、団体、企業、家族
まずは、これを理解した上で、つくられたアイデンティティーの自覚の深さを見ていくと、大別して3つの階層に分けることができます。
一番認識しやすいのは、名刺に書かれている肩書きやその人の出身地、性別、所属する組織・団体や人種・民族・国家・宗教・思想体系は表層的な(意識しやすい)アイデンティティーです。
これらは履歴書に登場しやすい項目なので、「プロフィール」と呼んでいます。プロフィールに相当するアイデンティティーは、「私は日本人です」、「私は日本物産の営業部長です」など、「私は○○○です(I am ○○○)」という形で表現しやすく、その人が何者であるかを相手が認識しやすい特徴があります。
深層アイデンティティーとは、無意識で「自分自身をどう思うのか?」を表しています。例えば、「私は正直者だが、いつも損をする人間だ」とか、「私は世間一般に比べて美しい/ぶさいくな方だ」とか、よく“性格”と表現される部分ですが、本書では『意識できているか無意識かを問わず、本人が主観的に、自分自身をどのような存在だと規定・定義しているのか』を示すものとします。
コーチングやカウンセリングを受けたことのある方は既に体験されているかも知れませんが、「私って完璧主義だったの?」とか、「ここまで自己否定が強いとは・・」など、自分の知らない(普段、意識していない)自分自身と出会える楽しさが、この深層アイデンティティーにはあります。
ただ、深層アイデンティティーを発見し、意識化することが出来ても、それを変化させるには正しい理解にもとづいた行動が必要です。
その方法は拙著でも述べましたが、自分自身がアイデンティティーを形成してきた背景を理解できると、これも単なる結果(原因から生まれた結果体)に過ぎないことが解かります。その為、深層アイデンティティーのことを「ビリーフ(信念)」と呼んでいます。
表層的なアイデンティティー、深層アイデンティティーを生み出している深奥には、サムシンググレートと呼ばれる無限のアイデンティティー(真実)があります。よく仏教やスピリチュアルの世界では「すべては繋がっている」と言われますが、それは量子力学的にも証明できる事実であり、この宇宙空間の中で相互に関係し合っていない存在はひとつもありません。
人体を構成している細胞、分子、原子、素粒子など、素材の源を紐解いていった先に出会う本来の自分自身を無限のアイデンティティーまたはサムシンググレートと呼びます。
自分の在り方を変えたいと思ったとき、それが肩書きや所属する組織などであれば、結婚や転職をしたり環境や立場を変えることで自然と表層アイデンティティーは変わっていきます。
変えたい対象が自分の思い込みによってつくられたビリーフであれば、過去の経験や体験を紐解き、改めて解析し直すことで深層アイデンティティーは変化していきます。
時代や国家、宗教などの影響を強く受けたのであれば、その影響も事実と解析に整理して自分の認識を変えることで、イメージ体系を上書きするように次第に変化させていくことが可能です。
しかし、人としての在り方をもっとも劇的に変えるのは、一般的にはほとんど認知されていない真実の自分を認識した瞬間です。
そこへのアプローチ方法は幾つか存在しますが、基本的には自分の判断基準を自覚し、ゼロ化していくこと、ビリーフを観察し、手放していくことを通して、脳の認識のクセに囚われなくり、段階的に視座が上がり、全体像が見渡せるようになっていきます。
その状態は「マインドフルネス」と表現されることもあり、「いまここ」と呼ばれることもあります。
グーグル社で瞑想を指導したティク・ナット・ハンは、「涅槃とは、どれだけ間違ったものの見方、見識を取り除くことができるか、その適応能力なのです」と定義していますが、ニルヴァーナ(涅槃:煩悩の火が消えた境地)に至る道もまた、自分の人間としてのモノの見方を解除していく先にあるのです。
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