2015.07.9
弊社では、この潜在意識の5階層のフレームワークを活用した研修やコーチングを提供しておりますが、今日はこの中でも一番影響力のある「アイデンティティ」の構成要素について、観て行きたいと思います。
目次
誰かとコミュニケーションを行う際、「相手の言葉」の裏には、考え、感情、イメージ、エネルギー、アイデンティティが無意識に連動しています。
相手が発した「言葉」を否定すると、それが意図的であるかどうかに関わらず、「アイデンティティ」が否定されたと受け取って怒り出したり、落ち込んだりする人がいることからも、5階層が連動していることが分かります。
コミュニケーションにおいては、その「言葉の背景」までを受け取ることが重要なのですが、そのためには「自分のイメージ体系と判断基準」で「相手の言葉」を受け取るのではなく、「相手のイメージ体系と判断基準」で受け取ることが必要になってきます。
このように相手の立場に立って観ることを「立場チェンジ」といい、コミュニケーションを通して相手の意図や価値観などを深く理解するためのとても重要な能力となります。
5階層のなかでも一番根深い層が「アイデンティティ」で、自分自身をどう思うのか、どう規定するのかという自己認識になります。
「立場チェンジ」をしながらコミュニケーションができるように、アイデンティティーを構成する七つの要素をみていきましょう。
例えば、動物園のたぬきを子供が触ろうとするとき、親の立場であれば「危ないからやめなさい」と子供の身の危険を考えますが、子供の立場からすればその言葉が苦痛になることもあります。可愛い動物を触りたいという無邪気な気持ちで自由にしたいのに、それが叶わず親の型にはめられた気持ちになってしまいます。
このように立場の違いによって、論理の違い、判断基準の違い、表現の違いができるのです。ですから人とコミュニケーションをする際には、常に相手の言葉や表現がどのような立場から発せされているのかを観察してみましょう。
今がどのような時代なのかということも大きく関わってきます。戦国時代であれば、敵国の兵士を沢山殺した武士には報償が出ましたが、現代で隣の県に渡って大量殺人を繰り広げたら、刑務所に入れられ、死刑も免れません。
それほど時代が異ならなくても、青春時代を過ごしたのがバブル全盛期なのかバブル崩壊後なのかによっても受ける影響は大きく違います。それぞれの時代によってそれぞれの価値観、判断基準が存在しており、自覚はなくても実際にはそれらに大きな影響を受けているのです。
また、このような時代によって形成されたアイデンティティーはみんなが同時に陥るものなので、集団的固定観念や集団無意識となり、なかなか自覚できにくいものとなります。
雪国で育ったか南国で育ったかで、着る物の種類や食べ物の文化も違ってきます。緑に囲まれた山奥で育つか海に囲まれた島で育つかで、覚える言葉や技術、お気に入りの料理も違ってきます。
地震などの緊急事態で切羽詰まっている状況や、新婚旅行で海外に来てくつろいでいる状況など、その状況に応じてアイデンティティーは大きな影響を受けます。大勢の人の前で話をするシチュエーションと、大好きな人と二人きりで話してるときのシチュエーションなど、様々な状況が無意識に影響を与え、それによって思考や感情、表情、言葉、行動が変化するのです。
竹島や尖閣諸島など、自分がどの国家に属しているかで判断や言動が変わってきます。ワールドカップやオリンピックでも自分が生まれ育った国を応援しますし、所属する国家の法律や文化、慣習、社会情勢に影響を受けます。
日本を除く世界では殆どの人が何かしらの思想や宗教をもっています。イスラム教では豚肉を食べることは禁止されているなど、その思想や宗教によってさまざまな考え方の違いが生まれます。
所属している企業や団体など組織のアイデンティティもあります。どのような組織に所属しているのかによって、イメージ、感情、思考、判断基準などが変わってきます。
1人のアイデンティティにはこのような7項目が影響を与えており、それらは意識、無意識に関わらず、常にその人のイメージ、感情、思考、判断基準などに影響を与えています。
これら一連の繋がりを常に意識しながら人と接することができるようになると、今まで感じられなかった範囲のことを感じられるようになります。
また、そうなるために最も先駆けて行うことは、これらを他人ではなく自分自身に当てはめて自覚していくことなのです。自分というものを明確に理解することが相手を深く理解する鍵なのです。
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