2015.07.15
過去の記事「信頼関係を築く4つの力」で挙げた能力のひとつが、”判断基準をゼロ化して聞く傾聴力”でした。今回は、その傾聴力を磨くためのポイントをまとめてみます。
目次
相手の話を聞こうと努力しても、そもそも相手を知ろうとする動機や関心がなければ、それが姿勢・態度に現れてしまいます。傾聴の能力やスキルを伸ばす前に、大前提として、相手に対する関心があるかどうかをチェックしてみてください。
もし関心が持てない相手の場合、それが付き合う必要のない相手であれば、そのままでも影響はありませんが、仕事や地域の付き合いなどで、どうしても関わらなければいけない人だったら、コミュニケーションや関係性に影響していくでしょう。
その場合、なぜその相手がそのようなコミュニケーションをしてくるのか?に意識を向けてみるのはいかがでしょうか。具体的には、潜在意識の五階層を探るための人間観察トレーニングの相手として位置付けてみるのです。
話をしている相手は、その人自身の観点でものごとを考え、その考えに沿って無意識に選んだ言葉を使って会話をしてきますので、その人がどの観点からそれを言っているのかを観察することが大切です。
相手の観点を理解できると、どうしてそういう論理展開や思考回路になるのかも観えてくるようになりますし、相手が他者をどう認識しているのかも理解しやすくなってきますので、立場チェンジがしやすくなります。
これが一番重要なのですが、相手の話しを聴きながら「いや、それは違うだろう」とか「こうした方がいいんじゃないの」など、いろんな判断のモノサシが自動的に沸いてくるのが脳の特徴です。しかし、ジャッジしながら話を聞いてしまうと、相手が伝えたい内容が頭に入ってこず、キャッチボールしている球を受け取らずに、打ち返すことになってしまいます。
自分の判断基準を置いて、ゼロになって傾聴するためには、まず自分の判断基準が働いていることを自覚するようにしてみてください。その判断基準がどこから創られたのかをしっかりと見定め、過去のできごとを事実と解析に分けて、改めて解釈し直すことで、自分の判断基準をリセットすることができます。
これができるようになると、心の中に波風が立たなくなりますので、ありのまま相手の話をを受け取れるようになってくるのです。
相手の話を聞いていて、「なんかズレてるな」と感じたらそれは言葉に対するイメージが自分と相手でまったく違っている可能性があります。
「なるべく早くやっといてね」と言われた仕事も、自分は「今週中」というイメージで受け取って、相手のイメージが「明日まで」だったら、あとで問題になりますよね。このように、自分と相手がイメージしている内容が合っているかどうかをすり合わせることで誤解を防ぐことができるようになります。
考えのお散歩(マインドワンダリング)でも解説したように、人は相手の話を聴いている間も違うことを考えてしまうクセがあります。なので、自分が他のことを考えてお散歩にいってしまってないか、自分の思考を観察するトレーニングを続けてみてください。自分の考えを客観視する習慣を通して、次第にいまここに集中できるようになってくるので安心してチャレンジしてもらえたらと思います。
以上のように「観点、判断基準、認識」に注意しながら話を聴くことができるようになれば、コミュニケーションのズレが減って、相互理解が深まり、快適な人間関係を築けるようになりますので、ぜひ実践してみましょう。
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