2024.03.15
潜在意識とは、普段は意識していない無自覚な領域のことで「無意識」と呼ばれることもあります。この記事では、潜在意識とは何か? どんな構造になっているのか? どんな働きがあるのか? など、潜在意識について具体例を交えながら解説していきます。
目次
あなたは、自分の人生に満足していますか? 夢や目標を達成できていますか? それとも、何かが足りないと感じていますか?
もし、あなたが人生に不満を抱いているとしたら、その原因は何だと思いますか? 自分の努力不足でしょうか? それとも、周囲の人や環境のせい? 運が悪いから?
実は、どれも正解ではありません。人生が思い通りにならないのは、自分の潜在意識に気づいていないことが原因です。
潜在意識とは、あなたが普段意識していない、無自覚な意識の領域です。潜在意識は、あなたの感情や思考や行動に大きな影響を与えているだけでなく、あなたの人生全体をも左右しています。
潜在意識を理解するうえでの第一歩は、顕在意識との違いを知ること。まずは、潜在意識と顕在意識の定義や特徴など、両者の違いについて大まかに把握しておきましょう。
潜在意識とは、「無意識」と言い換えられることもある、自分では自覚できていない意識のことで、人の意識の99%を占めると言われています。つまり、私たちは自分自身の意識について99%もの領域を把握できていない、ということ。
言いかえると、私たちは『自分自身について殆ど知らない』と言っても過言ではない、ということなのです。
分かりやすく例えてみましょう。あなたが、何ヘクタールもある広大な土地を持っていることをイメージしてみてください。車で10時間かけても回り切れないくらい広大な土地の中で、普段使っているのはほんのごく一部です。住んでいる家は小さな一軒家、普段は近所の森に散歩する程度で、半径10分くらいの生活圏内で暮らしています。想像できましたか?
住んでいる家の周辺であれば、どんな花が咲くか、どんな動物がいるかを、大体分かっていると思いますが、車で10時間行った所に何があるか把握できるでしょうか? ・・・分かるわけありませんよね。そう、潜在意識はこの広大な土地のようなイメージです。
例えば、この土地に放射性の有害物質を持ち込んだら、どうなるでしょう?
住んでいる場所から50キロ離れていたとしても、空気や水がどんどん汚染され、やがては家の周辺にまで被害が広がることを想像できるのではないかと思います。この土地に持ち込まれたものや栄養分や生態系が、自分の日常に少なからず影響を与える、ということです。
どこに薬草が生えていて、どこに食べられる実がなっているか? どこにレアメタルや有害物質が埋まっているか? 自分の広大な土地を隅々まで把握していなくても、それらの要素が常に自分に影響を与え、左右しているということ。潜在意識もこの土地のように、普段は自覚できないけれど、私たちの感情・思考・行動に大きな影響を与えているだけでなく、人生全体までをも左右する土台なのです。
顕在意識は、意識の1%にあたる領域であり、自分で把握できる表層の意識のことです。
「私は歩いている」「私は食べている」などのように、自分で自覚してコントロールできるアクションや、論理的な思考・判断などはすべて顕在意識によるものです。
先程の広大な土地に例えて言うと、顕在意識は住んでいる家の生活圏内にあたります。庭に何の植物を育てているか、近くの小川にどんな魚がいるか、毎日散歩している森の中で採れる木の実は何か、など生活に必要なものを細かく把握しているようなイメージです。食料が足りなければ、畑を耕したり、種を植えたり、獲物を捕獲したりなど、生きるために必要なアクションに繋がります。
顕在意識は日々の生活に直結する、なくてはならない大事な意識領域であり、多くの働きをしてくれています。
仕事をする、食事を作る、書類を整理する、調べ物をする、掃除や洗濯をする・・といった意識的な行動を促すことや、AとBを比べてどちらが良いか検討する、ABCの順番を決める・・といった思考や判断を行う領域であり、現代社会を生きるうえで必要不可欠なものです。
潜在意識と顕在意識の割合は、99:1ですから、勝負はもう見えていますね。
例えば、あなたが「今日から半年で10キロダイエットするために、毎日ウォーキングしよう!」と目標を立てたとしても、潜在意識が反対してしまえば、99人と1人が戦っているようなもの。当たり前ですが潜在意識の方が圧倒的に強いので、残念ながら顕在意識は太刀打ちできず、目標を達成することはできません。
このように、「自分では認識できない意識」が、私たちの日常や人生を大きく左右しているのですが、それに気づいている人はまだごく少数です。多くの人は、99%の潜在意識に引っ張られていることを知らないまま、できない自分を責めてネガティブな気分になったり、「私は意志が弱い」「失敗した私はダメな人間だ・・」などとレッテルを貼ったりと、間違った認識を重ねてしまっているのが現状です。
あなたが目標を達成できなかったり、思い通りに進めなかったりするのは、意志が弱いから、ダメな人間だから、・・・ではありません。
潜在意識が向かう方向と、顕在意識が向かう方向がズレていることが原因です。1%の顕在意識で、いくら頑張ったとしても、99%の潜在意識に負けてしまうのは当たり前のことなのです。
もし、潜在意識と顕在意識が一致していれば、両者は綱引きすることなく同じ方向に向かって進み、何の抵抗もなく目標達成ができるのです。ですから、潜在意識と顕在意識のズレをなくし一致させることができれば、思い通りの人生を手が手に入るのです。潜在意識はそれほど強力なチカラで、水面下で私たちの行動や感情に影響を与え、人生全体を左右しているのです。
そのチカラを活用するためには、潜在意識がどんなものかを知り、うまくコントロールすることがカギになります。
では、潜在意識はどんなものなのか? その正体について、これから論理的に解説していきます。
潜在意識について、以下のような氷山の絵をご覧になったことがあるのではないでしょうか。
水面より上に出ている部分が1%の顕在意識で、水面下に隠れている部分が99%の潜在意識を表しているものです。
「ああ、見たことがある」という人は多いと思いますが、この図をご覧になって、次のような疑問が浮かんだ人もいらっしゃるのではないでしょうか。
「水面下に99%が沈んでいて、それが潜在意識だということは分かった。では、その99%の中は、どうなっているのだろう?」
では、この99%の部分について、どのような構造になっているのか詳しく解説してまいりましょう。”
水面下にある99%の潜在意識の中身について、誰でも分かるように1枚の絵でまとめたものが下の図です。ワンネスでは、このピラミッド図を「ノジェスの潜在意識5階層」と呼んでいます。
上の方は、表層意識に近いものを表しています。下にいくほど無意識・無自覚の意識状態で、全体に及ぼすチカラが大きく強力になっていくイメージを表しています。”
このピラミッド図から分かるように、潜在意識には5つの層があります。
表層意識に近い上から順に
思考>感情>イメージ>エネルギー>アイデンティティ、という5つの階層です。
下に行くほど、どんどん水面の奥深くにもぐっていき、自分では意識できない無意識の領域になっていきます。
潜在意識について何となく知っていた人でも、このように階層があることをご存知なかったのではないでしょうか。
では、図の上部から順番に説明してまいりましょう。
水面から上に出ている部分が、目に見える形で明確に顕在化したものであり、コミュニケーションにおいて表情・言葉・行動として外側に表れる部分です。
これが、顕在意識の1%にあたります。
顕在意識(思考の一部と表情、・言葉、・行動)は、例えば、話す、笑う、歩く、歌う、仕事をする、食事をする、運動する・・・などのように、身体の動きを通して、目に見える形で表れるので意識しやすい領域です。
そのなかでも「顔に出すけど言わない人」や、「口で言ってるけど行動しない人」人もいるように、表情よりも言葉、言葉よりも行動の方が、アウトプットとしてはより顕在化されているコミュニケーションになります。
潜在意識のピラミッド図のTOPに位置する部分、つまり最も表層にあたる部分を第1階層としていますが、これが「思考」の領域です。
「思考」は、水面の上に出ている部分「表情・言葉・行動」をつくり出す大元になっています。
例えば、「昼時間になったから、仕事を一旦中断してランチを取ろう」というのは思考であり、そのような思考を行ったことで、仕事を中断したり、ランチに行ったり、というアクションとして外側に表れます。
このように、行動するためには、その背景で「思考」が働いているわけですが、これついては無意識だけでなく、本人が自覚的に行っていることも多いでしょう。
いずれにしても、裏側で「思考」が動いた結果として、表側の「表情・言葉・行動」に表れているのです。
潜在意識のピラミッド図の上から2番目、つまり第2階層にあたる部分は「感情」の領域です。
「感情」は、第1階層にある「思考」に大きく影響を与えています。
例えば先程の例でいうと、「昼時間になったから、仕事を一旦中断してランチを取ろう」という思考が働く土台として、何らかの感情が先に動いているのです。
人によって、それは「お腹が空いた・・」という飢餓感や渇望感のようなものかもしれません。
または、「疲れた! 集中力が切れた」という疲労感のようなものかもしれません。
あるいは、「せっかく集中力が高まった所で昼時間が来てしまった…まだ仕事をしていたいのに中断しないといけない」という焦りや責任感のようなものかもしれません。
いずれにしても、昼時間が来たことに対して、人によってさまざまな感情反応があるわけですが、これは「思考」よりもずっと速いタイミングで動いています。そして、その感情を土台にして思考が生み出されています。
例えば、飢餓感・渇望感を感じている人は、昼のチャイムが鳴った瞬間にダッシュしようとか、混雑する前にいち早く社食に駆け込もう、などと考えを巡らせて、実際にそのような行動を取るかもしれません。一方で、仕事の締め切りを間近に控えた人は、焦りを感じてこのまま仕事を続けたいと考えるでしょう。昼休憩を取らずに仕事しようと決断し、素早く腹を満たすためにコンビニのおにぎりを買いに行くかもしれません。
このように、人が何らかの行動を取るには、その背景で「思考」が働いていますが、さらにそのもっと奥では「感情」が動いているのです。
潜在意識のピラミッド図の上から3番目、つまり第3階層にあたる部分は「イメージ」の領域です。これは、第2階層にある「感情」に大きく影響を与えています。
この「イメージ」の領域は、人が生きてきた中で体験したことや、学習した記憶を元に作られています。
例えば、先入観、価値観、固定観念、善悪の判断、好き嫌いの判断基準、「~しなければならない、~であらねばならない」といった義務感や強迫観念なども「イメージ」の領域です。これらは、色眼鏡、フィルター、モノサシ、などとも言われています。
また、単語に対するイメージなども、この層に収納されています。例えば、あなたは「アップル」という言葉を聞いた時に、何を思い浮かべますか?
ある人は、果物の赤い「リンゴ」を思い浮かべ、ある人はスティーブ・ジョブズの「アップル社」や、iPhoneなどの製品が浮かぶかもしれません。中には「白雪姫」や「ニュートン」を思い浮かべる人もいるでしょう。「アップル」というシンプルな単語を1つ例に挙げても、それぞれの人が抱くイメージはさまざまです。
そして、それぞれの人が思い浮かべたイメージによって、想起される感情や反応も変わってきます。赤いリンゴを思い浮かべた人は、もしかすると「そう言えば、何となくリンゴが食べたくなってきた」と食欲が刺激されて、スーパーに走るかもしれません。iPhoneなどの製品をイメージした人は、物欲が湧き、製品をネットで調べ始めるかもしれません。このように、それぞれの抱くイメージによって、それぞれに違った感情反応が起こり、それぞれに違う思考や行動へと繋がっていくのです。
行動が起きる背景では、このように、まずイメージがあり➨イメージから感情反応が起こり➨感情反応に連動して思考が働く➨その結果として行動に繋がる、ということが瞬時に行われています。これを深く理解できれば、自分の内面で何が起こっているのかについても分かるようになります。
潜在意識のピラミッド図の上から4番目、つまり第4階層にあたる部分は「エネルギー」の領域です。
「エネルギー」は、第3階層にある「イメージ」や、その上にある「感情」「思考」などの領域にも大きく作用しています。
「エネルギー」を、気力・ヤル気・モチベーション、などに言い換えると、分かりやすいかもしれません。
電池のエネルギーを想像してもらえればと分かると思いますが、電池の残量が少ないとスマホが作動しないように、人も気力が少ないと、感情や思考にエネルギーが回っていかず、実際に行動量や質も低下します。逆に、エネルギーのある人は、元気で行動力がありますよね。
感情・思考・行動の源になっている「エネルギー」は、人の潜在意識のかなり深いところに存在しています。
潜在意識のピラミッド図の上から5番目、つまり第5階層にあたる部分は「アイデンティティ」の領域です。
「アイデンティティ」とは、自己認識・自己規定のことです。「私は、こういう人間である」という、自分に対する定義付けのこと。
例えば、「私は日本人です。青森県の農家の三男として生まれ、家族のムードメーカーです。」というようなものです。他にも、名刺に書かれている会社名・肩書や、人種、民族、国家、宗教、性別に至るまで・・・すべてアイデンティティの要素です。
これらのように、本人がハッキリ言い表せるものだけではなく、本人さえもまったく気づいていない自己イメージもあります。例えば「私は不必要な存在だ」「私は皆に嫌われる人間だ」というようなものです。
アイデンティティ(自己認識・自己規定)は、潜在意識の底辺にあり、その上にある第1~4階層のすべてに影響を与えています。
これまでの説明で、潜在意識の正体をご理解いただけたでしょうか?
潜在意識は5つの階層でできています。上にいくほど表層意識に近く、自覚することもできますが、下の階層になるほど無自覚で気づくことが困難な領域になっていきます。下の階層は非常に大きな影響力を持っているにも関わらず、自分で自覚することが難しく、コントロール困難な領域です。だからこそ、私たちの人生は潜在意識によって振り回されることが多いのです。
潜在意識の5階層を深く理解することができれば、人生がうまくいかない理由についても、解明できるようになります。
例えば、
✓ダイエットすると決めたのに、なぜ甘いものを食べてしまうのか?
✓あの人にいつもイライラしてキツイことを言ってしまうのは、なぜ?
✓同じ失敗を毎回繰り返してしまうワケは?
✓結婚したいのにご縁がない、私のどこに問題があるの?
…といったことが構造的に理解できるようになり、改善の糸口が見つかります。
それでは、いくつかの題材について、潜在意識の5階層に照らし合わせながら紐解いていきましょう。
生きていれば、人間関係にストレスを感じたことが一度はあると思います。 人は独りでは生きて行けませんから、職場・家庭・クラブや団体など、どこに行っても人と接触することを避けられません。一人ひとり違う人間が集まる中で、摩擦や衝突が起きることは日常茶飯事ですが、いつも人間関係がこじれてしまう人がいる一方で、どこに行っても良好な関係性を築いている人がいるのも事実です。
実は、人間関係がうまくいくか、うまくいかないかも、潜在意識に原因があるのです。具体例を挙げて説明していきましょう。
食品会社で働いている30代女性のWさんのお話です。
彼女は、上司との関係がうまくいっていません。
上司が高圧的な態度で攻撃を仕掛けてくるので、いつも強烈な反発心を感じていました。彼の仕事のやり方にも不満を感じ、人間性も信頼できませんでした。
「彼は現場をまったく分かっていない」「彼のマネジメント能力についても疑問」「私が意見を言うと、いつも排除しようとする。」…と感じて、つい反抗的な態度を取っていたので、険悪な状態でした。
思い返してみると、彼女はこれまで、上司や先生など目上の男性と、うまく行かないパターンをずっと繰り返していました。彼らの高圧的・支配的な態度に、つい反抗心が掻き立てられ、反発してしまうのです。
Wさんの表面に出ているのは「反発する」という行動です。その行動の元になっているのは、上司に対する次のような「思考」です。
・彼はマネジメントができていないし、現場を分かっていない
・私が意見を言うと、いつも排除する
・いつも高圧的な態度で攻撃してくる
・部下を支配しようとする
・こんな人間性に欠ける人が、上役を務めるべきではない
このような思考が働くことで、反抗的な態度が表に出てしまうわけです。
上司に対してネガティブな思考があることで➨反抗的な態度につながっている、ということをご理解できたと思います。
では次に、そのネガティブな思考は、どこから出てくるのでしょうか? その答えは、潜在意識の第2階層である「感情」です。
・反発心
・反抗心
・不信感
・嫌悪感
上司の高圧的・支配的な態度に対して、このようなネガティブな感情が出てきますが、それは思考よりももっと速いスピードで反射的に立ち上がるために、本人も自覚していないことが多々あります。
このように、ネガティブな感情を抱くことで、頭の中でネガティブな思考がどんどん作り出されていくことになるのです。
ネガティブな感情が元になって➨ネガティブな思考が作り出される、ということをご理解できたと思います。
では次に、そのネガティブな感情は、どこから出てくるのでしょうか? その答えは、潜在意識の第3階層である「イメージ」です。例えば次のようなものです。
・上司という「役割」に対するイメージ
・年上という「年齢」に対するイメージ
・男性という「性」に対するイメージ
実は、Wさんの中には次のような「イメージ」がありました。
「男性は、上下関係を作り出し、上に立ちたがる面倒な生き物だ」
「男性は、年下の女性を力で支配しようとする」
「上司は、仕事も人間性も優れていなければならない。」
このようなイメージが複数重なることで、年上の男性上司に対して反射的にネガティブな感情が湧いてしまっていたのです。確かに、こんなイメージを持っていたら、年上男性が目の前に表れただけでも、身構えたり警戒したりしてしまいそうですよね。
ネガティブなイメージから➨ネガティブな感情が湧き起こる、ということをご理解できたと思います。
では次に、そのネガティブなイメージは、いつ?どこで?作られたのでしょうか?
それを紐解いていくのが潜在意識コーチングや、潜在意識アカデミーのワークなのですが…Wさんの場合も、弊社の提供するプログラムを受ける中で解決に至っています。鍵はWさんの幼少期にありました。
Wさんは子どもの頃、支配的・激高的な父親の元で、いつも顔色を伺ってイイ子を演じながら育ったと言います。「自分がイイ子にして父のご機嫌を取れば、父は落ち着いて、母と妹も平穏に過ごせる」と考えて、自分のやりたいこと・好きなことをことごとく諦めてきた、という体験をされていました。
なんと、Wさんが年上の男性に抱いていた「イメージ」は、父親の姿そのものだったわけです。
✓男性は上下関係を作り出し、上に立ちたがる面倒な生き物
✓男性は、年下の女性を力で支配しようとする
✓年上の男性は、私のやりたいことを邪魔する
こんなイメージを抱いているわけですから、「年上の男性=敵!」というスイッチが入ってしまうのも無理はありません。父親と似たような印象の年上男性が現れると、なぜか強烈な反発心を感じてしまうのは、年上男性に対して父親を投影していたからでした。
このように、過去の経験から作られた「イメージ」によってネガティブな感情が湧き起こり、表情や言動に出てしまうことで、人間関係がこじれることは数えきれないほど多くあります。
Wさんの場合は、父親に抱いたネガティブな「イメージ」を、上司と結びつけていたために、上司と険悪な関係になっていました。しかし、この構造に気づいたことで、上司との関係が改善に向かいました。
上司に対するイライラや、腹の底から湧き上がるような激しい怒りが劇的に消え、上司の立場や背景を理解できるようになり、上司を見る目が一変しました。
そして、ずっと相手から攻撃されていると感じていたのが、実は自分から攻撃を仕掛けていたことに気がついたのです。相手の人格を否定していたのは、実は自分の方だった! 自分でうまく行かない原因を作っていた! と気づいたのでした。
それからは、自ら攻撃の矢を放つことがなくなったので、Wさんに対する上司の接し方が変わり、それまでとは全く違う良い関係を築けるようになりました。Wさんは、「自分の捉え方ひとつで、見える世界がガラッと変わった」と語っています。
「潜在意識」を書き換えることは、世界が一変するほど、大きなインパクトを与えるものなのです。
◆Wさんのお話は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。↓
https://oneness.inc/column/megumi_wada/
Wさんの事例で、ご理解いただけたでしょうか?
頭の中にあるネガティブなイメージが原因で➨ネガティブな感情が湧き起こり➨ネガティブな思考が展開した結果➨イヤな態度を取ってしまう…このようなパターンで人間関係がうまくいかないことは往々にして見受けられます。
潜在意識の第3階層である「イメージ」の領域には、多くの問題を引き起こす原因が眠っていると言えるかもしれません。逆に言うと、この領域には問題を紐解くヒントも埋まっている、ということです。
「イメージ」は過去の経験を元に作られるため、一人ひとり固有のものです。
先程お伝えしたように、「アップル」という言葉を聞いて、青森県のリンゴを思い浮かべる人、iPhone製品を思い浮かべる人、アップルティーを思い浮かべる人、赤い色を思い浮かべる人・・など、人によって違うイメージを連想します。
単純な単語1つ取っても、まったく違うイメージが出てくるということは、複数の単語を用いた文章になれば、なおさらです。違うイメージがどんどん重なって、他の人とのズレが広がっていくことを想像できますよね?
こうして各人が持っているイメージがバラバラであることで、コミュニケーションにズレが生じ、コミュニケーション・ミスや人間関係のこじれに繋がっていくのですが、こういったことを知っておくだけでも、ミスをかなり減らすことができるのです。
さて、それでは次に「ダイエットが成功しない理由」について、見ていきましょう。ダイエットではなく「お金が貯まらない理由」にしても良いですよ。「ダイエット」を別の言葉に置き換えて考えてみてください。
多くの人が、夢や目標を達成できないのはなぜか? 思い通りの人生になっていないのはなぜか? それも潜在意識に原因があります。
なぜ多くの人がダイエットしようとして失敗したり、一度は痩せることができてもすぐにリバウンドを繰り返したりするのでしょうか?
それは、潜在意識の第5階層の「アイデンティティ(=自己認識・自己規定)」の領域にヒントがあります。
「私は、こういう人間である」という、自分に対する定義付けが意識の根底にあることで、その上の第1~4階層のすべてが影響を受けています。
例えば、ダイエットでリバウンドを繰り返している人は、第5階層に「私は太っている人間だ」という自己認識がしっかりと定着しています。
一時的に痩せたとしても、第4階層では「太っている私」を実現しようとするエネルギーが醸成されているので➨第3階層で「太っている私」のイメージが展開され➨第2階層で「太っている私」の感情を再現し➨第1階層で「太っている私」の思考が働き➨その結果として「太っていた頃の私」がしていたのと同じような行動を取ってしまいます。
以前と同じようにドカ食いしたり、運動するのがおっくうになったりと、元の自分と同じマインドで、同じ行動を取ってしまい、結果としてリバウンドしてしまうのです。
第5階層の自己認識が「太っている私」のまま切り替わっていないと、せっかくダイエットに成功したとしても、「痩せている自分は、何だか私らしくない」と感じてしまいます。
元の「自分らしい体形」に戻ろうという無意識が働き、それに合わせて、第4階層も、第3階層も・・・すべての階層が「太っている私」を実現しようと働いてしまうのです。
これがリバウンドの正体です。「元の自分」に戻ろうとする強力な引力。
第5階層に書き込まれた「アイデンティティ(=自己認識)」のパワーは非常に強力で、本人の知らない所で、あらゆるところに計り知れない影響を及ぼしています。
なぜ多くの人が「片付けられない」のでしょうか? 片付けや収納の本を読んで実践してみても、あっという間に元に戻ってしまうのはなぜでしょうか?
これも、潜在意識の第5階層の「アイデンティティ」の領域にヒントがあります。
片付けられない人は、潜在意識の第4階層にある「自分の部屋のエネルギー」が定着しています。
例えば、リビングテーブルの半分を書類の山が占めている、本棚にギッチリ本が詰め込まれている、冷蔵庫の上には沢山のBOXが重ねられている…etc. このように、常にその場所にモノがあふれている状態がスタンダードになっています。雑然とした部屋の雰囲気(エネルギー)が、身体感覚としてしっくりきている、と思ってください。
身体がそのエネルギーにしっくりきている限り、潜在意識がそれを再現する方向に向かってしまいます。
頑張って片づけたとしても、「スペースが空いているのが何だか落ち着かない。何もないと物足りない」という感覚になってしまい、せっかく空けたスペースに、またモノを置いてしまうのです。
第4階層に定着した「雑然とした部屋がしっくりくる」という感覚を書き換えないと、せっかく片づけたとしても、「何だか落ち着かない」「自分の部屋らしくない」と感じてしまいます。
身体感覚と一致しないから、何だかしっくりきません。その結果、元の「自分らしい雑然とした部屋」に戻そうという無意識が働いて、潜在意識の第1~3階層が連携協力し、すぐに元通りになってしまいます。
潜在意識に書き込まれた「元の部屋」に戻ろうとする強力な引力。これが片付けられない&片付けのリバウンドの正体です。
なぜ多くの人が万年貧乏から抜け出せないのでしょうか? 一度は大金を手にした人でも、あっという間にお金を失うのはなぜでしょうか?
これも、潜在意識の第5階層の「アイデンティティ(=自己認識・自己規定)」の領域にヒントがあります。
お金が貯まらない人は、潜在意識の第5階層にある「お金に対するイメージ」や「お金と付き合う自分のイメージ」が定着しています。
例えば、いつも請求に終われている自分、スーパーで1円でも安いものを手に入れようと時間をかけてチラシを吟味している自分、外食に行っても好きなものではなくリーズナブルなセットメニューを選んでいる自分、…etc. このように、常にお金を気にして行動している状態がスタンダードになっていると、お金のない自分のイメージが、写真や動画のように脳裏にどんどん濃く焼き付けられていく、と思ってください。
貧乏な自分のイメージが脳裏にしっかり焼き付けられていると、潜在意識がそれを再現する方向に向かってしまいます。頑張って稼いだとしても、「お金を持っていると何だか落ち着かない。貧乏な方が自分らしい。」という感覚になってしまい、せっかく稼いだとしても、散財してしまったりするのです。
第5階層に焼き付いた「貧乏な自分」という認識を書き換えないと、せっかく稼いだとしても、何だかしっくりきません。
「自分らしくない」と感じてしまいまい、元の「自分らしい貧乏な状態」に戻そうという無意識が働いて、潜在意識の第1~4階層が連携協力し、万年貧乏を繰り替えしてしまいます。
第5階層に書き込まれた「貧乏な自分」に戻ろうとする強力な引力。これが万年貧乏の正体です。
以上の具体例4つを通して、人生が思い通りにならない原因を解説しました。少しでもヒントになりましたでしょうか?
・夢や目標を達成できないのはなぜ?
・どうして人間関係がいつもこじれるの?
・どうして人生がうまくいかないの?
その理由は、これまで生きてきた経験からつくられたイメージ・固定観念が潜在意識に書き込まれ、さらに潜在意識がそのイメージを繰り返し再現しようとするからです。より深層にある階層ほど計り知れないパワーで、わたしたちの人生全体に影響を与えています。
ですから、あなたが思い通りの人生を実現するには、自分の潜在意識を正しく理解することがカギになります。
あなたが思い通りの人生を実現するためには、潜在意識がカギになっている、ということをご理解いただけたでしょうか?
では、潜在意識をどう変化させれば良いの? そんな疑問が湧いて来たのではないかと思います。
この項目では、潜在意識にアプローチする方法や、潜在意識の活用事例、潜在意識を書き換えたことで実際に問題が解決したお客さまの事例などを、簡単にご紹介します。
潜在意識にアプローチする方法は、実にさまざまなものがあります。
ヨガ、瞑想、呼吸法、ノート式、アファメーション、引き寄せ、コラージュ、ディスカッション・・他にも数々の方法が考案されており、私たちが提供している「ロジカル潜在意識メソッド®」「潜在意識コーチング®」もその1つです。
これまでの方法は、瞑想・マントラ・呼吸法などのように、宗教性や精神性が高いものや、曖昧で再現性の高くないものが多数でしたが、最近では弊社のようにコーチングやグループワークを中心とした形式も出て来ました。ちなみに、弊社の潜在意識メソッドは、誰でも取り組めるよう論理的に体系化されているので、トヨタ・NTT・三菱などの大手企業にも採用されています。
潜在意識にアプローチする方法については、タイプによって好みがありますから、自分のタイプや目的に合ったものを選ぶと良いでしょう。こちらの記事で、さまざまな手法が比較考察されていますので、ご興味ある方はぜひご覧になってみてください。
潜在意識を使うことで夢や目標を叶えた人は、これまでに数えきれないほどいらっしゃいます。
有名人では、元プロ野球選手のイチローさん、元サッカー選手の本田圭佑さんなどのエピソードを、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
元プロ野球選手のイチローさんが、小学生時代に書いた作文を抜粋します。
「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです。(中略) 僕は3歳の時から練習を始めています。3年生の時から今までは365日中360日は激しい練習をやっています。そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球選手になれると思います。」
また、あるインタビューでは次のように語っています。「イメージトレーニングはもう普段、歯を磨いている時なんかでもやっています。こういう球が来たら、こういうふうに打って…と、いい感じを頭に描くようにしています。」
このように、イチロー選手は小さい頃からプロになることを信じて疑わず練習に励み、日々の生活の中でも、ヒットを打つイメージを常に繰り返していました。つまり、イチロー選手は小学生の時点で、潜在意識の第5階層において、「自分はプロ野球選手である。」という自己イメージができあがっていたのです。
潜在意識の第5階層の領域にイメージが浸透することで、エネルギー・感情・思考・行動が創り出され、イメージ通りのものが再現されることを、お分かりいただけたでしょうか。
元サッカー選手の本田圭佑さんは、中学校の卒業文集に、かなり具体的な夢を書き残しています。
・「サッカー選手になりたい」と言うより、なる
・セリエAに入団
・10番で活躍
・プーマと契約
・Wカップに出場
・ブラジルと決勝戦をし、2対1でブラジルを破る
など・・・
また、彼は雑誌インタビューで、次のようにも語っています。
「極端に言うと、僕の場合、無理をして先に人格を作っちゃうんですよね。ヒーローとしての人格を作って、普段からそう振る舞うようにする。それを続けていたら、自分の本物と重なるんですよ。作った人格が、本当の人格になるんです。」
このように、目標を明確に思い描き、すでに夢を叶えた人間として振る舞うことで、潜在意識の第5階層に「夢を叶えている自分」「サッカー選手として華々しい活躍をしている自分」というイメージが深く浸透します。その状態を創りあげることで、潜在意識の第1~4階層のすべてがその方向に向かって連動していくのです。
潜在意識に取り組んだことで、問題が解決したり、人生が好転したり、という話は数えきれないほどあります。
私たちのお客さまの中にも、潜在意識を学びんだことで人生がうまく回り出した、生きづらさがなくなった、収入が増えた、経営がうまくいくようなった、など…信じられないような変化を体験されている方々が数多くいらっしゃいます。
次に2~3の事例をご紹介しますので、ご参考にしてください。
愛花さんは、潜在意識を学んだことにより、10年働いた会社を退職して「チョコレート・アーティスト」に大転身しました。会員制のチョコレートブランドを立ち上げ、クラウドファンディング達成率4706%で大成功させたうえに、全国を飛び回る講演家としても大活躍されています。
彼女は潜在意識の第5階層に根付いていた「私は会社員である。」という自己認識を変えることに取り組み「世界中を飛び回る女社長」という設定で潜在意識を書き換えました。
これによってマインドが変わり、服装も変わり、醸し出す雰囲気や行動やライフスタイルもどんどん変化し、付き合う人も変わっていったと言います。
このように、「世界中を飛び回る、成功した女社長」として振る舞い、自分がこれまでやらなかった行動を取ったことで、人生に大変化を起こしました。
◆小林愛花さんの実話はこちら↓
https://oneness.inc/column/aika_kobayashi2/
戸田恵利子さんは、潜在意識に取り組んだことで、欲しい車が手に入り、家のリフォームも実現しました。
潜在意識を学ぶ前は、叶えたい夢や希望があっても「それは到底ムリ」「お金がない」と、あきらめクセが付いていましたが、その考え方をやめることにしました。自分が本当に望んでいることを自由に想像し始めると、イメージ通りの車が見つかって即購入が決まったり、母親の援助でトントン拍子に家のリフォームが決まったりと、驚くほど願望が叶い始めました。
「〇〇しなければ」という思考を捨てて自由になるにつれて、現実が変化することを実感し、コツをつかんだことで、良いタイミングで駐車場が空いたり、大好きな食べ物を立て続けにプレゼントされたりと、数えられほどラッキーなことに恵まれています。
自分の潜在意識を知れば知るほど、人生が思い通りになることが分かったので、毎日楽しく潜在意識の掘り下げに取り組んでいるとのことです。
◆戸田恵利子さんの実話はこちら↓
https://oneness.inc/column/eriko_toda/
これまでご紹介した事例を通して、潜在意識に取り組むことで夢や目標を達成したり、人生が思い通りに展開したりすることを、ご理解いただけたでしょうか?
まだまだ多くの実話がありますので、気になる方はこちらをご覧になってみてください。
ご自身のケースと照らし合わせて、同じような悩みや課題を持たれている方は参考になると思います。↓
https://oneness.inc/column_category/voice/
もし、あなたが人生に不満を抱いているとしたら、その原因は何だと思いますか?
自分の努力不足? 周囲の人や環境のせい? 運が悪いから?
ここまで読んでいただいた方は、もうお分かりのことでしょう。
人生が思い通りにならないのは、自分自身の潜在意識に気づいていないことが原因です。
潜在意識は、あなたの感情や思考や行動のすべてに大きな影響を与えているだけでなく、あなたの人生を大きく左右するものです。潜在意識を明らかにし、使い方をマスターすれば、もう今までのようなハードモードな人生は卒業です。潜在意識の作用によって人生を変えることができるのです。
これからは潜在意識に無自覚に振り回されるのではなく、潜在意識を使いこなして、自分で人生のハンドルを握っていきましょう。
2024.10.3
2024.09.14
2024.07.16
2024.07.8
2024.05.25
潜在意識の構造を21のフレームワークで解説したビジネス書。2015年10月にAmazonランキング2位を獲得し、2018年4月にも明林堂書店の週間ランキングで3位にランクインするなど、根強い人気を誇る。
コミュニケーション能力を測定できるカードゲーム。採用試験で応募者のコミュニケーション能力を数値化して把握することができ、営業社員の能力開発にも最適。研修やグループワークで人気の一品。
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