なぜ経営者に自己認識が必要なのか?

2021.07.13

こんにちは石山喜章です。

今回は、なぜ経営者に自己認識が必要なのかについてお伝えしたいと思います。

経営者に必要なのはゴールよりも現在地の把握

最初に1つクイズです。例えば富士山に登ろうとします。富士山の山頂に行くというゴールが決まっていて、手元には地図があります。

ただ、ある1つがないだけにゴールにたどり着けない。その1つとは一体なんでしょうか?それが実は、現在地なのです。

目的地が決まっていて、地図、例えば業界の全体図がわかっている。ただ自分の現在地を知らなければ、そこにたどり着くことはできません。

これは私が高校・大学と山を登っていたときもそうでした。よく地図を手にして山頂へ向かって歩いていたとき、大体迷うときって自分がどこにいるかを見失うときだったんですね。

これは事業でも同じだと思います。自分なりの事業計画を立てて商品やサービスを作り売りながら、いろんな活動をしているときに、ふとその目的に対して自分が今いるポジション、つまり自分の現在地を正しく把握できていない瞬間ってあると思います。

孫子に学ぶ経営者が自分の立ち位置を知ることの重要性

この自分自身を知る、現在地を知ることがなぜ大事なのか?これは、2500年前に戦国時代に書かれた孫子の兵法にも書き記されています。

「彼を知り己を知れば百戦してあやうからず」この有名な言葉、皆さんも聞かれたことがあるのではないでしょうか?ここに書いてあることはまさに、「己を知れ」なんですね。

原文では「彼を知り己を知れば百戦してあやうからず」それに続いて、「彼を知らずして己を知れば一勝一敗す」「彼を知らず己を知らざれば戦う毎に必らずあやうし」と続きます。

この孫子の兵法は、ソフトバンクの孫さんやビルゲイツも参考にしていたと言われるくらい、2000年以上にわたって多くの経営者、あるいは当時の軍隊の大将が読み続けてきた戦略書です。

この一説がなぜこれほど有名で未だに残っているのか?その真髄はこの文にあるように敵のことを知らなくても、例えばライバルやマーケットのことを知らなくても自分のことをちゃんと理解していれば一勝一敗す。つまり、50%の確率で勝てるということなんですね。

逆に、相手のことも知らないけれども自分のことも知らなければ、戦うたびに必ずあやうし、つまり百勝百敗くらいほぼ必ず負ける。命が危うい目に遭うということを意味しています。

己を知り相手のことも知っていれば、百戦しても危険な目には遭わない。それくらい己を知っているかどうかが、相手のことを知っているかどうかよりも重要だということです。つまりは、自己理解が大事ということです。

セルフアウェアネスが分かっている経営者はビジョンがはっきりしている

孫子の兵法は2500年前からずっと言われていますが、最近ハーバード大学をはじめ「セルフアウェアネス」という分野で、アメリカのニューエリートの人たちは自分の自己理解を深めようとする取り組みを始めています。

その一環としていわゆるマインドフルネスの部分を深掘りしたいと思いますが、なぜ我々経営者に自己認識が必要なのか?

※マインドフルネス=今のこの瞬間を大切にする生き方

セルフアウェアネスは日本語にすると「自己認識」と言い換えることができますが、これが分かっている経営者と自己理解が浅い経営者とを比べた時に、シンプルに違いが表れるのは経営理念やビジョンです。

経営理念やビジョン、動機が明確な経営者とビジョンが曖昧な経営者がいたとしたら、皆さんはどっちのほうが採用でより多くの人が集まると思いますか?

あるいは経営理念が明確な会社・ブランドと曖昧なブランドだったら、どちらの方にお客様やファンがつくと思われるでしょうか?

これもう明確ですよね。ビジョンがはっきりしていて、動機が明確で経営理念がしっかり立っているブランドや会社の方に、採用でもマーケティングでも人が集まります。

セルフアウェアネスとは?

セルフアウェアネスは、先ほども触れたように自己認識と言い換えることができます。では、自己認識とは何かと言いますと、自分自身の持つ習慣や望んでいること、つまり自分の深層心理のことです。

セルフアウェアネスとはつまり、「自分自身をより深く理解すれば、それによってさらに自分を良い方向へ向かわせることができる」という考え方です。近年は、精神療法や哲学といった分野で研究が進められています。

経営ビジョンは自分の心の中にある

このファンを集める力。要は採用のコスト、マーケティングのコストに明確に関わってくるのが、ビジョンや働く動機の明確さなのです。このビジョンがどこから来るかといえば、当然あなたの心の中からきます。

・あなたが何を動機に働いているのか?

・あなたの人生の目的はなんなのか?

・あなたが生きている意味はなんなのか?

を明確にしないと、この明確なビジョンというのは導かれません。

これはマーケティングやブランディング、採用だけではなく、同じように組織の強さにも関係します。

・我々はどういうチームを作りたいのか?

・誰を仲間にしたいのか?

・どのような働き方を推奨するのか?

それはすべて私たちの中から出てきます。

自分の中にある価値観や自分が一番大切にしてきた行動基準、判断基準をもとに、組織の強さは決まってきます。あなたの哲学が営業の仕方に表れ、あなたの大事にしている価値観がその会社の生産性に表れてきます。

そしてあなたの倫理観が社員の幸福度にもつながってくる。我々経営者自身、創業者自身の自己認識が、例えば求人の場合はその認知度、応募率に明確に関係してきます。

採用の場合はその後書類選考面接をして内定採用に進むわけですが、だいたいマーケティングでもコンバージョン(成約)に至る流れというのはそんなに変わりません。

認知された後に応募するかどうか?ランディングページを見て申し込むかどうか?この応募率は主に御社に対する共感の度合いで変わってきます。それはすなわち、あなたの思いに共感する人がどれだけいるかです。

そのあなたの思いをどれだけ明確に伝えるか。その軸を明確にするには、自分自身の潜在意識の中に埋もれている、これまで大事に培ってきた核となっている価値観や判断基準、これを明らかにする必要があります。

それを明らかにすることで例えば採用コスト、求人広告に年間1,000万円かけていた会社が広告を出して人が集まるようになった。コストが1,000万円浮いたという事例もあります。

まとめ:なぜ経営者に自己認識が必要なのか?

今回解説してきた「マーケティングの費用」「応募率」「組織の強さ」につながるのは、あなたのセルフアウェアネスがどれくらい深まっているのか。あなたの自己認識がどれくらい深まっているのかという点です。

セルフアウェアネスが様々なところに影響していることを踏まえて、より自己理解を深めてていきましょう。

次回では、この自己認識をどういう風に深めるのか。あるいは我々のコアになっている価値観、核に持っている大事な判断基準。これをどういうふうに見つけるのかについてお伝えしたいと思っています。

石山 喜章 ワンネス株式会社 代表取締役

1977年、鳥取県生まれ。埼玉大学&デジハリ卒業後、株式会社IMJ(営業・プロデューサー職)を経て2003年、エッジ株式会社でメディア事業「ライブドア」をゼロから立ち上げ、同社の成長を牽引。ライブドア事件後は求道者として覚者の下で修業を積みながら2社の設立に携わった後、2012年にワンネス(旧社名CCO)を創業。出版した「潜在意識の使い方」は1万部を突破し、トヨタ、三菱電機、ITベンチャーなど先進的企業72社が幹部育成を依頼。ひとり1人の『魂の成長』を支援している。

よく読まれている記事

関連記事

プロフェッショナルコーチ

書籍紹介

世界が一瞬で変わる潜在意識の使い方
Amazon 1,540円

潜在意識の構造を21のフレームワークで解説したビジネス書。2015年10月にAmazonランキング2位を獲得し、2018年4月にも明林堂書店の週間ランキングで3位にランクインするなど、根強い人気を誇る。

ツール紹介

対話するトランプ2
Amazon 2,200円

コミュニケーション能力を測定できるカードゲーム。採用試験で応募者のコミュニケーション能力を数値化して把握することができ、営業社員の能力開発にも最適。研修やグループワークで人気の一品。