2021.07.30
リモートワークの浸透によって中間管理職の業務量は増加し、「現場の状況が見えづらくなった」、「会議で発言しない社員の扱いが難しい」、「スタッフの育成により気を遣うようになった」という声が増えています。
今回はマネジメントを機能させるために何が必要なのか、マネジメント層の育成にコーチングが有効な理由やコーチング導入のメリット・デメリットなどをお伝えします。中間管理職のマネジメント能力の有無は、会社の業績に多大な影響を与える要因です。成果のあがる組織をつくるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ウィズコロナの時代、最も困難に直⾯しているのが30-40代の中間管理職です。ハラスメント基準の厳格化、外国⼈スタッフへの対応、副業解禁へのサポート、残業時間の削減、リモートワークの普及を進めながら、そのうえで⽣産性の向上までも実現しなければなりません。
従業員の仕事に対する価値観は多様化し、メンバーの数だけ存在するようになりました。 仕事に⼈⽣を賭ける⼈、仕事より趣味を⼤切にする⼈、⼦育てとのバランスを重視する⼈、介護の必要な家族を抱える⼈、将来の独⽴や転職のために会社を踏み台と考えている⼈など、価値観の多様化がマネジメントの負担を押し上げています。
かつてないほどの厳しい状況に置かれ、課題は増えるが成果を求められ、スタッフのマネジメントにも悩みが尽きません。いま多くの中間管理職・プレイングマネージャーが苦しんでおり、ここまで多様化と複雑化を極めた職場課題に、ひとりで⽴ち向かうのはあまりにも酷な状況です。
マネジメント選任の管理職が多かった時代と違って、現代では多くの企業でプレイングマネージャーが増加しています。プレイヤーとして自ら成果を上げることと同時に、マネージャーとしてチームの成果も上げなければなりません。そんなプレイングマネージャーに話を聞くと、「プレイヤーとしての仕事が8割で、従業員のマネジメントには2割程度の時間しか割けていない」と応える方も少なくありません。
マネージャーとしての役割を果たそうと思っても、そもそもマネジメントの方法論をちゃんと学ぶ機会がなかったり、相談に乗ってれる人が社内にいなかったりで、自分の抱えている仕事をこなすだけでも精一杯な状況です。
ところが毎月コーチと話す機会ができると、
・自分の状況が客観的に見えるようになる
・思考の整理がついて心に余裕が生まれる
・その結果、業務が進み生産性や効率がUP
・自分自身と向き合うので人としても成長する
といった効果や効能が現れてきます。
一昨年からブームになった「1on1面談」を取り入れた企業も多いと思いますが、「あまり意味のある時間にできなかったので途中で辞めてしまった」という企業も増えています。
管理職からすると、「そもそも上司からまともな1on1をしてもらった経験もなく、何を話せばいいのか分からない」、「いちいち時間を取らなくても普段の業務の中で話してるから、別にいいじゃないか」という意見もあります。
こうした管理職がコーチングを受けることで、傾聴とはどういうことか?が身をもって理解でき、1on1の時間に何を話せばいいのか?のイメージがつくようになります。部下・メンバーが育つことで部署のKPIが改善し、業績アップにつながっている企業もあります。
コーチングの用途だけでも、ビジネス向けの目標達成コーチングやマーケティングコーチ、スポーツに活かすコーチング、子育てに活かせるコーチング、健康指導のコーチングなど、実に様々な種類のコーチング資格が存在しています。
1日3万円で取得できる手軽なものもあれば、1年間100万円を費やした上で実技試験に合格してやっと獲得できる本格的なコーチングの資格もあります。企業の管理職育成を目的とするなら、国際コーチ連盟(ICF)が認定するACC、PCC、CPCCの資格や一般財団法人生涯学習開発財団の認定コーチ、認定プロフェッショナルコーチ、そしてNLP(神経言語プログラミング)マスタープラクティショナーなどが有名なところでしょう。
ビジネスシーンにおけるコーチングの内容は、主に次のような流れとなります。
・課題発見:いまのクライアントの課題をヒアリングし、テーマを決めます
・原因分析:その課題の原因を深堀していきます
・解決策の立案:根本原因を解決する方法をブレストし、解決策を模索します
・思考の整理:ここで「頭じゃ分かってるんだけど・・」という行動のブレーキが見つかったら、からまった思考と感情の整理を行います
・チャレンジの明確化:スッキリした状態で次の行動・チャレンジ目標を定めます
普段、職場で行われいる会議との違いは「思考の整理」があるか/ないかです。心のなかにあるモヤモヤや行動を止めてしまっている心のブレーキを見つけて解除することによって、業務のスピードや生産性が上がるケースが少なくありません。
植物で例えると、目に見えづらい根っこの部分や土の状態が、果実の数や品質を決めているように、内面に抱える課題を掘り出して解決することが、業務上の成果や結果につながってくるのです。
プロのアスリートにはコーチが必須であるように、高い成果を求められる役員や管理職にコーチをつける会社は増え始めています。ここでは、外部のコーチをつけるメリットとデメリットについて見ていきましょう。
管理職にコーチをつけた企業では、実際に次のような変化が起きています。
・自分の状況が客観的に見えるようになる
・思考の整理がついて心に余裕が生まれる
・管理職としての改善点に目が向き、変わるよう努力し始める
ある製造業の課長Aさんは、「コーチングを通して、いかに自分が部下の話を聞いていなかったのか?を自覚することができました」と言われており、半年後には「Aさんが話を聞いてくれるようになった、と部下に言われたのが嬉しかったです」と話しています。
コーチングを通じて自分自身が身をもって体験するので、上司である管理職の1on1能力が向上し、結果として部下育成につながっているケースが多いです。特に傾聴力と質問力が高まるので、部下の本音を引き出せるようになった結果、離職率が改善した職場もあります。
上司と部下が成長すると部署の関係性もよくなり、結果として残業時間の減少やエラー・ミスの回数低減、離職率の改善、KPIの改善と業績アップにつながっています。
あるサービス業では、関係性の質が良くなった結果、スタッフ層からの提案が増えるようになりました。上司と部下の信頼関係が深まったので、批判を恐れず意見を言えるようになってきています。その意見・アイデアから新規事業の種が見つかったという会社もありました。
管理職にコーチをつける一番のデメリットは費用負担です。大手や有名企業に依頼すると、1回15~30万円のコーチング料が掛かるため、20名のマネージャーにコーチをつけるだけで月額300~600万円のコスト増につながります。
但し1回5万円ぐらいであれば、コロナで浮いた接待交際費や旅費交通費分をこちらに回せば済む話なので、コストパフォーマンスが高い会社を見つけることが鍵になります。
コーチは、顧客の思考や感情を整理して最良の判断に導くプロではありますが、「御社のプレイヤーとしてのプロ」ではないので、社内の専門知識を伝えることはできません。
コーチの役割は月1回の指導と思考の整理です。マネージャーの代わりに業務を遂行することはできませんので、成果を出すにはコーチングを受ける管理職自身の意識の持ちようが大切になってきます。
ダイエットを希望されるお客様が、スポーツジムのトレーナーの指導を無視した生活習慣を続け、食事制限もしなければ痩せないのと同じように、本人が変化したいと本当に願っているかどうか?は大事な要素です。
コーチが対話を通して、クライアント本人の内面に目を向けるよう促しますが、それでも会社のせい、上司のせい、環境のせいと他責にしてばかりで自分自身に目を向けられない方の場合は、コーチングを受けてもお金の無駄に終わるケースが多々あります。そのため、コーチングを導入する際には、社内で希望者を募る形にすると最も効果が高まります。
コーチングを受けている幹部同士の交流の場が定期的にあると、お互いに触発しあって成長スピードが伸びる傾向にあります。自分がどれぐらい理解できているのか、学んだことを実践できているのか?を比較できるので、切磋琢磨しあえる仲間の存在が学習意欲を刺激してくれます。
「以前コーチを付けたことがあるけど成果に繋がらなかった」という会社で耳にするのが、管理職が「コーチングの時間に何を話せばいいのか?が分からなかった」という話です。
経営者や人事がよかれと思ってコーチを付けても、受ける側の心の準備ができていないと毎月の時間を有効に使うことができません。
ある中堅サービス業では、エリアマネージャーと店長・副店長を集めて最初にマネジメント研修を実施し、その研修内容を使った1on1ができているかどうか?をコーチングの時間に振り返ることで、学習効果を高めることに成功しました。
受ける側も「学んだことを実践してみたけど、ここが難しかったから教えて欲しい」、「こういう部下にはどのように対応すればよいか?」などを質問することで、有意義な時間になったと感じています。
今回の記事では、企業の業績を改善する上でも管理職やマネジメント層を育成する上でもコーチングが有効な理由を解説して参りました。
実際に社内にコーチングを導入するとなると多様なサービスがありますが、そんな中でも、
・ビジネスに使えるコーチング資格を有している
・1回5万円程度とコストパフォーマンスが良い
・マネジメント研修とセットで受講できる
この3点を備えたサービスの「ソダテル」をご紹介します。
ソダテルは、マネージャー層に必要なコーチング・スキルや1on1面談の手法を身に着ける為のマネジメント研修がセットとなったプログラムです。研修はオンラインで受講できるので、離れた場所に店長や管理職が散らばっているような業態でもすぐに導入することができます。
コーチングを依頼する際に(その会社のコスト構造が理由で)自由にコーチを選べない会社が多いのですが、「ソダテル」は審査を通過した20名のプロコーチの中から、業界経験や保有資格、年齢、性別、実績などを見て、自分が好きなコーチを指名することができます。
会社によっては、一人の工場長の下に50名の従業員がいる工場もあれば、一人のマネージャーの下に100名のスタッフがいる部署もあります。管理職1人に対して、部下の人数が20名を超えると「ひとり一人と1on1面談をする時間を割けない」という声が増えてきます。
そんなご要望にお応えして、コーチが管理職の代わりに従業員の1on1面談(ヒアリングと簡単なコーチング)を行う「1on1代行」もオプション・メニューにあり、規模の大きな組織では重宝されています。
半年に1回、全従業員に「1on1代行」を実施して社内サーベイの代わりに活用される企業もあります。クラウドサービスと違って生身の人間が対話するので、「アンケートでは浮かび上がってこないような現場のリアルな声が経営層まで届く」と好評です。
また、ある企業では従業員向けの福利厚生の一環として、オンラインでコーチングを受けられる「ソダテル」を社員向けに展開されているところもあります。
ソダテルの導入手順は以下の通りです。
シンプルな料金体系で、自社の規模と課題、現状をヒアリングし、最適な組み合わせを相談することができます。お申し込みから1ヶ月とかからずに開始することができるのも魅力のひとつです。
料金体系:
・コーチング 1回5万円(1時間)
・研修 1日50万円(オンライン可)
・1on1代行 1回2万円(30分)
自社のマネジメント層の育成に有効な「ソダテル」の詳細は、ぜひお問い合わせください。
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