2021.07.14
こんにちは石山喜章です。
今回は、優秀な人材が集まる経営者の特徴についてお伝えしたいと思います。
目次
これまで私は組織開発という仕事柄、多くの大企業からベンチャーまでの経営者や人事役員、大企業の場合は管理本部長や人事の部長の方に「御社で活躍している人材の共通項ってなんですか?」そういった質問をしてきました。
7年間くらい継続しておよそ200社以上の役員に聞いてみたのですが、返ってくる答えは大企業でもベンチャーでも大体同じでした。もちろん表現の仕方はいろいろありますが、共通項をまとめると以下の3つの軸に絞られます。
・観点
・判断基準
・認識
この3つの軸で見たときに、いわゆるワンマン社長になるのかプロの経営者になるのか。その違いというのが明確に説明できるようになってきます。
1つ目の「観点」というのはものの見方を意味していて、大体ワンマン社長で従業員数が少なく身勝手にやっている段階では、観点を固定されている経営者が少なくありません。
一方、組織を成長させ成功している経営者の多くは、観点が自由に移動できて相手の立場に立つことができる人が多いです。
観点が固定されている方というのは、自分が絶対正しいという風に思っていて基本的に人の話を聞かないことが多いです。一方観点が自由に移動できる方というのは、異なる意見を楽しめて人の話を聞く姿勢があります。
次に判断基準。これは価値観と同じですが、自覚されている方は内省する習慣があるので、基本的には同じ失敗を繰り返しません。なので、成長への変化のスピードが早いです。
一方、自分の価値基準や判断基準を自覚していない方は、あまり振り返ったり内省したりしないので、同じような失敗を繰り返しています。
去年やったのと同じ失敗を今年も繰り返してしまう。振り返りをしないし自分の価値観を自覚していないので、あまり変化・成長しない。当然業績は上がらず会社も成長しない。そういった傾向にあります。
3つめは認識。これは何かというと、自分が認識したことを事実だと思い込むのか?あるいは自分が思い込んだと認識して事実を確認する習慣があるかどうかです。
前者の場合は何が起きるかというと、言った言わないが多発します。例えば、「山田さんこの後焼肉奢ってくれるっていったじゃないですか!」「え、言ってないよ」「え、言ったでしょ」このような感じです。
これは何かというと、本人が聞いた気になっている、あるいは本人が見たつもりになっているからです。交渉事の約束などでも、「自分が認識したことは事実」という風に思い込んで、そこから全く動かないのです。
交渉事もこじれますし、会議で話をしていてもズレていく。なかなか人との関係が上手くいかないわけです。
一方仕事ができる方や経営者というのは、「あっ自分があの時そう受け止めた。思い込んだだけで事実は違ったんだ」という風に自分の認識を変えることができます。
そうすると相手に事実を確認する習慣があるので、基本的にはズレがなくなって人間関係が良好になります。こういう方は大体ストレスが少なくてメンタルも安定していて、仕事のパフォーマンスも上がる傾向にあります。
なぜならば、基本的に起きている嫌なことやトラブルというのは自分のせい(自発)だからです。一方ワンマン社長というのは、嫌なことやトラブルが全部人のせい(他発)なのです。
人のせいにするということは、自分にコントロール権がないのでどんどんストレスが溜まっていきます。自分では変化できないことに目を向けるので、ストレスが蓄積するとメンタルも不調になってどんどんもつれていく。すると人間関係も悪化してパフォーマンスも低下します。
当然業績は下がってモチベーションも下がり、さらに人間関係が悪化して倒産していく。こういうスパイラルを描いていくことが多いです。
そうでないプロの経営者は、基本人のせいにはしないです。「100%この結果の責任は自分にある」なので嫌いな人間関係も起きたトラブルも、全部自分に責任があると思って自分を変えようとします。
こういう考え方なので変化、成長が早く、物事を自分の責任だと捉えるのでどんどん自分を変えることで物事も変えていきます。それが業績や結果につながって仲間との関係性も良くなって、結果としてすごく成長軌道に乗っていく。
基本的にそういった経営者の根っこにあるのは、起きる物事、この世界で起きている現象すべては自分に責任や原因があると思っているか、基本的に相手のせいにしているか。これが一番大きな根底の違いです。
物事を人のせいにしてしまう人の心理とは、なんでしょうか?心理的な原因が分かれば、対処できるはずです。
まず挙げられるのが、「自分の間違いを認めたくない」という心理です。これはプライドが高い、あるいは自分に自信がない人が陥りやすい心理です。プライドに関しては自分で抑えるしかありませんが、自信がない方は自分に自身を持てるよう努力すると解決に向かうでしょう。
次に挙げられるのが、「他人に責任転嫁したい」という心理です。自分のせいにすると責任が自分に降りかかるのが嫌で、他人に責任転嫁をしたいといった考えです。経営者であれば、物事に正面から向き合う姿勢が必要と言えるでしょう。
最後は上記の責任転嫁と少し重複しますが、「自分が責められるのが嫌」という心理です。社員であれば上司に言われたから、経営者であれば部下が勝手にやったことだから、ということで責められる矛先を自分から逸らそうとします。
このパターンは他人に責任転嫁をしたいという思惑も含まれていますが、基本的な原因は「受け身であること」にあります。経営者の場合は、部下に投げっぱなしにするのではなく、あくまで自分は統括している(能動的)立場であることを肝に銘じておきましょう。
今回は他人のせいか自分のせいか、そこから派生して観点、認識、判断基準の3つの軸で解説しましたが、これは経営者だけではなく多くのビジネスマンにも当てはまることです。
皆さんが採用されている人材がこのワンマン社長とプロの経営者の一体どちらの傾向に当てはまるのか?ぜひチェックしていただけたらと思います。
今回は優秀な人材が集まる経営者の特徴についてお伝えしました。皆さん自身はどうでしょうか?ぜひ振り返ってみていただけたらと思います。ご一読いただきありがとうございました。
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