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労働、業務、仕事の違いとは?実は9種類もある米国の仕事にまつわる概念

2015.05.11


突然ですが、あなたにとっての仕事とは何でしょうか?

「うちの会社は労働がキツイ」「この業務って単調だから眠くなるんだよね」など、仕事を意味する単語は複数ありますが、日本ではあまり意識して区別されていません。

実は米国では「仕事」といっても9種類に分かれるんです。

あなたが今やっている「仕事」は、次の定義のどこに当てはまるでしょうか?

◆仕事の区分

Labor:賃金を得る為の肉体的・精神的な労働

Duty:やらなければならない義務

Task:課された務め、単純作業

Job:与えられた任務、役目、機能を果たす

Work:手段や方法を自ら考えて行動し、目的を達成できる状態

Business:自分で考えて行動し、利益を生み出すことができる

Profession:専門知識を要する職業

Mission:自分で決めた使命、社会的意義

Calling:神から呼ばれた宿命、運命

 

昔の欧米ではLaborからJobまでが奴隷の仕事と言われていました。お金を対価に人の言うことに従って、自分の役目を果たしている状態です。

日本でも「社畜」なんて言い方をしますが、仕事に自分の意思が入る余地がなく、指示・命令に従っている領域が、LaborからJob(労働、義務、タスク、役目)の段階です。

Workから先は「あなた自身の意思」が、とても重要になります。

Work(仕事)とは、ある目的を達成する為に、その達成方法や手段を自ら考えて行動し、目的を達成することができる状態を指します。

日本では正社員と派遣社員の線引きにもなっていて、正社員は目的を与えられたら、それをどう実現するか(手段)は任せられることが多いですが、派遣社員はJobやTaskなどを任されることが多いです。

次のBusinessは、利益を生み出せる状態。例えば社長から「この事業で、年間20億円の利益を上げる」という目標だけ与えられたら、戦略・計画を考えて、人員を配置し、マネジメントしながら目標達成まで導く事業部長の仕事にあたります。

これだけの仕事の能力があれば、もう独立して経営者としてやっていけるというレベルがBusinessです。

Missionは「自分で決めた」使命や社会的意義の為に働いている状態です。企業なら利益も出しますが、より崇高な目的の為に利益を度外視した行動を選択できます。

Callingはキリスト教的な価値観から来る概念ですが、「神様から呼ばれた」という意味で、「自分で決めた」のではなく「神に呼ばれた」からこの役目を果たしていると感じる宿命や運命を意味します。

自分自身の身体を神様に使って貰っているという感覚で働き、奉仕しているので、どの仕事よりも幸福感が高いと思われています。

 

個人的に思うこと

以上が欧米における仕事の区分ですが、皆さんはどう感じられたでしょうか?

この9段階を見て、「今の自分はここにいるから、もう少し上を目指そう」と感じる方や、逆に「どうせ上には上がれないから社畜で我慢するしかないか・・」と諦めを感じる方もいらっしゃるでしょう。

個人的には、神の規定にしろ、自分の意思にしろ、「仕事=役割」が9つすべてに共通しているので、役割と関係ない生き方やライフスタイルがあっても良いと思っています。

例えば、誰の役にも立っていないように見える仕事や生き方も、それが悪いとは思いません。今の時代の人の役に立っていないように見えても、100年先の人類から見たら「よくぞ頑張ってくれた!」と評価されるかも知れません。(科学技術の基礎研究なんて、まさにその分野です)

また、仕事においては機能性や役割が求められますが、「役割=用途、機能」だけで人間の価値は測れませんので、そこだけに囚われる必要はないと思います。

みなさん自身が、どう在りたいのか? これをしっかりと考えてみてください。

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