新規事業が進まない原因

2021.06.4

サラリーマンと起業家の違い

インタビュアー:多くの会社が事業開発になかなか進展が見られないと思うのですが、それはどうしてですか?

石山:その事業を立ち上げようとしている人に魂がないからだと思っています。

インタビュアー:魂ですか?

石山:言い方を変えると「本気度」なんですけど、経営者の場合、本気だから自分の思いがあって会社をつくることが多いと思うんですけれども、会社の中で新規事業を立ち上げる人はリスクを負っていないんですよ。給料をもらっている状態で安全な所にいながら「こんなことができたらな」という計算を含めてやることが多いので、その分、創業者に比べて覚悟が浅いんですよね。

覚悟の浅い人が他の人に協力を求めに行ったときに、それはやっぱり見透かされているので得られる協力の量と質が変わってくるんです。

原研哉さんに問われた覚悟

私が20代半ばの頃、ライブドアの新規事業として紙の「新聞」を発行しようとした時期がありました。その新聞の紙面デザインを、あの有名なデザイナーの原研哉さんに依頼しに行ったことがあったんです。

その打ち合わせの席で事業内容を説明しデザインを依頼したところ、原さんが開口一番に聞かれたのが「どれぐらいの覚悟で、それをなさるのですか?」でした。

当時はまだ新聞業界のことも深く理解していなかったので、こちらの考えの浅さが伝わっていたのでしょう。私は覚悟を問われて考え込んでしまい、しばらく何も答えることができませんでした。

逆に、紙の新聞を諦めてネットのlivedoorニュースとして報道事業を立ち上げると決めた後は、意思を込めていろんな人を巻き込んでいけたのを覚えています。

大企業でも本気でこれを何とかしたいと思って魂を込めてやる場合、言わなくても周りに伝わっているので、その思いがピュアであるほど、社会のためになっているなと思うほど、応援者や協力者がどんどん集まってくるんですよね。

あの人はいいことをやっているから応援しよう、と。そういう人はやっぱり成功していくし、その思いに共感したお客様までが協力してくれるんです。なので、究極は「本気度」。魂が込められているかどうかかなと感じます。

組織のなかのサムライ

インタビュアー:本気で魂を込めてやる人を揃えれば、新規事業は進んでいくということですね?

石山:そう思いますね。ある打ち合わせのときに気づいたのですが、森ビルの幹部の人もその会社にある意志の数を数えていたんですよ。社員数ではなくて、組織の中で意志を持って自ら物事を動かしている侍は何人いるかっていうのを、その方はカウントしていたんですね。

「御社には、侍が何人いますね」という言い方をされていたんですけど、そういう人が自分の意志で周りを巻き込んで動かしているというのを見ている人は見ているなと思います。

新規事業が進まない3つの要因

インタビュアー:なるほど。侍の話は相当興味深いですね!ちなみに、魂以外の要因はありますか?

石山:1つ目がニーズや市場があるかどうか、2つ目が社内の協力が得られるかどうか、3つ目が資金・人員などのリソースが足りているかどうかかと思います。

市場があるのに事業が進まないときはリソースが足りないことが多いんですよね。予算やお金がない、人員がいない、時間がない、何かが足りないんですよ。

リソースがないというのは、結局社内で協力が得られていないんです。何で協力が得られないんだろうと原因を突き詰めると、その中心にいる人間の意志の問題だったりするんですよね。

3つと言いながら、結局は本気度の問題に集約していきます。成長企業の役員や部長クラスはコーチをつけて、毎月内観する習慣をもっていますが、これも思考の整理を通して心をスッキリさせ、本気度を上げることにつながっていると感じています。

石山 喜章 ワンネス株式会社 代表取締役

1977年、鳥取県生まれ。埼玉大学&デジハリ卒業後、株式会社IMJ(営業・プロデューサー職)を経て2003年、エッジ株式会社でメディア事業「ライブドア」をゼロから立ち上げ、同社の成長を牽引。ライブドア事件後は求道者として覚者の下で修業を積みながら2社の設立に携わった後、2012年にワンネス(旧社名CCO)を創業。出版した「潜在意識の使い方」は1万部を突破し、トヨタ、三菱電機、ITベンチャーなど先進的企業72社が幹部育成を依頼。ひとり1人の『魂の成長』を支援している。

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