ストーリー

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コンサルタント 嶋尾かの子

2021.08.26

ワンネスで組織開発コンサルタントを務める嶋尾かの子にインタビューしました。「一人ひとりの価値観を明確にすることが、組織の強いストーリーにつながる」と考える彼女の声をお聞きください。

自分のことを知り、周りの仲間を知り、組織を知る

私はこれまで、アドラー心理学や文化人類学を組み合わせ、人事コンサルティングを中心にキャリアを積んできました。

採用ブランディングの導入や人事制度設計のお手伝いをはじめ、企業や商品のブランディングまで行ってきた一方で、たくさんの企業の経営層やリーダー層の方へコーチングを行うこともありました。

多くの現場を経て思うのは、組織を「変化」させるためには「まず自分のことを知る」のが重要であるということです。

自己理解が深まってから周りの仲間(=従業員)のことを知り、最後に組織を知る。これが組織の変革には重要であると感じています。最初からいきなり組織全体を変えようとしても、なかなかうまくいかないものです。

石山とは以前から一緒に登山をするような友人関係でしたので、彼の在り方や価値観・ワンネスの理念はよく聞いていました。「全ての変化はまず自分から」は、まさに大切な考え方だと共鳴していましたので、ワンネスに参画することに決めました。

個人をブランディングすることで、キャリアの自律を達成したい

個人がブランディングされると、当然ですが、社内での価値が高まっていきます。つまりその人が組織になくてはならない状態になるわけです。

やがてそれは「自己実現」につながり、そういう人が組織に増えることで組織のレベルは当然上がっていきます。

私は自身の内側から発せられる魅力や強みを引き出すことで、その人自身を「ブランド化」するお手伝いをしたいと考えています。

やがて個人のブランド化は、「キャリア自律」につながります。「会社に雇われている」ではなく「会社と対等な関係を築く」という自律した意識。それがまた組織全体の変革にもつながるのだと考えています。

特に今は、副業やフリーランスが当たり前の時代になってきました。わざわざ組織に属することの意味はこれまで以上に大切になります。組織側も、従業員側も、お互いにリスペクトできる関係性を持つために、個人ブランディングからのキャリア自律がこれからの人材開発のトレンドになっていくでしょう。

透明の目。それが組織の価値観を引き出す

私がこれまで大切にしてきたことは、個人や組織を「透明の目」で見ること。自分の勝手な価値観で判断しないことです。

まっさらな気持ちで「大切にしている価値観」を引き出すと、多くの方は「自分はこんなことを考えていたんだ!」と発見し、自分の考え方を客観的に見える状態になります。

自己認識が深まるから、これから進むべき方向性を定めて、腹落ちして歩いていくことができるのです。

重要なのは、答えを外に求めないこと。「どこかに成功法則があって、それに当てはめれば上手くいく」のではありません。組織やそこで働いている人は全部違うのだから、その数だけやり方があるのです。

「分かっているけど変われない」という言葉は多くの方から聞く言葉です。その原因は、大抵の場合、自分たちの価値観を見つけられていないことです。

そして、自分たちが「ありたい姿」を明確に現在地とのギャップを埋めていくアプローチ大切です。ともに模索しながら、進むべき道を発見していければと思います。

自分たちにしかないストーリーを見つける旅に出よう

個人の価値観を見つけ出していくことは、組織の固有のストーリーをつくりあげていくことにつながります。

自分にとっての本質や価値観を見つけ、お互いをリスペクトする関係がつくれると、信頼関係のある強いチームビルディングができるようになります。

そうなれば、組織はどんどん変わっていけるでしょう。ほとんどの企業はそこを飛ばして、いきなり組織を変えようとするから、返って変化が進まないのだと思います。

お互いの本質や価値観がチームで共有できることで、組織の価値観が醸成されます。

また個人の本質や価値観を見つける中で、自ずと今いる組織と自分の接点を考えることにつながるので、それがいわゆる理念浸透そのものになり、強い組織をつくることに自然とつながるのです。

その道筋はいわば組織づくりの旅。

旅の中で生まれた自分たちにしかないストーリーは組織の個性となり、個性が共感を呼び、仲間集め(=採用)にも強い効果を発揮するでしょう。

私は大学で講師もしていますが、今の大学生は自分のやりがいや企業の社会的な使命(=パーパス)について強く意識しています。

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