2023.04.4
ワンネスでコーチを務める井上義浩にインタビューしました。彼のコーチングに対する想いをお聞きください。
目次
子どもの頃から言いたいことをうまく言葉にできず、コミュニケーションに悩んでいたことがキッカケで、人間の心理に興味を持ちました。
小学生ながら、コミュニケーションがうまくなりたい、そのヒントを得たいと心理学の本を買い求め、そこに書いてあった「人の話を聴く人間は、必要とされる。」という言葉に解決の糸口を見つけたような気がしました。
早速、傾聴の方法を試してみたところ、友達がよく相談してくれるようになり、母や祖母が愚痴など話して来るようになったのですが、次に、ただ聴く一方では何も解決できないことに気づき、今度は「どうしてあげたら良いのか?」と、解決方法が分からずもどかしさを抱えるようになりました。
1つは、短期留学先のオーストラリアで出会った高校の先生です。
どうして先生になったのか?と彼に尋ねると、「元々は勉強が大嫌いだったけど、ある先生のおかげで大好きになった。だから自分もそういう先生になりたいな、と思ったんだ。」と。その答えを聞いて、そんな風に、人の人生に影響を与えることができる仕事っていいな、と思いました。
もう1つの出会いは、本田健さんの著書「ユダヤ人富豪の教え」です。
留学先から帰国した直後にこの本を読んで、主人公の大学生ケンと大富豪ゲラーさんの心の交流に感動し大号泣しました。
当時25歳でしたが、この主人公のように自分にも温かく導いてくれるメンターがいたら、迷わず人生を歩めたかもしれないと感じました。私自身が寄り添ってくれたり、悩みの本質に気づかせてくれたりする人を心から欲していたのです。
自分が人生に迷い悩んでいたからこそ、誰かにとって、支えとなり導ける人になれたらいいなと思い、そこから潜在意識など様々な勉強をはじめたことが現在に繋がっていると思います。
1つは、当時お付き合いしていた女性から「あなたは、あれもこれもやりたいと言うけれど、何一つ行動していないよね。」と図星を突かれたことです。
悔しさと見返してやりたい気持ちで一念発起し、山形から東京へ出たことから人生が変わりました。
東京で何か結果を出そうと仕事にまい進し、成果を出せたことが楽しくて、ますます仕事にのめり込み、行動だけがどんどんエスカレートして行きましたが、心が追いついていない状態でした。自分の心と行動があまりにもかけ離れ過ぎて、ある時それが破裂し、ウツを発症してしまいました。
心のことを学んでいたにも関わらず、自分自身の心に意識を向けていなかったことに、そこで初めて気づきました。数百万もかけて知識を学んで来たけれど、それを使って成果を上げることにばかり意識が向いていたのです。
その状態になってから、ようやく私の本当の学びが始まりました。
潜在意識の5階層を自分自身に対して使い、自分で自分の中を紐解くことを始めたのもここからです。2~3年間は本当に苦しくて、毎日毎日さまざまな想いをノートに書きなぐっていました。
成果を上げないと自分は価値がない、と思っていたこと。価値を感じるために結果を出さなければいけない、見返してやる、というエネルギーで、ずっと外へ外へと意識が向いていたこと。自己否定が強く、自分を変えなきゃと思い頑張って勉強し続けて来たこと。
それに気づき、自分を受け容れるプロセスを始めました。苦しんでいる自分を否定せずにそのまま認めて、そうだよね、と寄り添い続けました。
数年後にウツを卒業してからは、ポジティブなこともネガティブなこともニュートラルに捉えられるようになり、どんな自分でも愛せるようになりました。自己否定することもなくなり、人に対して、これは良い、これは悪い、などといちいちジャッジをしなくなったので、今は本当に気持ちが楽です。
もう1つの大きな出来事は、ある方から初対面で言われた衝撃的な一言です。
「あなたって、クローズだよね。建前しか話していない。私、コミュニケーションが循環しないと気持ち悪いの。」とはっきり言われました。
本当にその通りで、私はそれまで誰にも心を開けなかったし、弱みを見せることもできなかったのです。だから、気づいてくれる人がいたことが実は嬉しかった、気づいてくれて良かったと、ホッとしたような思いでした。
それがあってから、最初はポツリ、ポツリと自信ないながらも何とか少しずつ彼らに話をするようになりました。人の話を聴く側ばかりやって来て、自分の話を聴いてもらったことがなかったので、ちゃんと受けとめてもらえたのは初めての経験でした。
言語化するのにすごく時間がかかり、なかなか言葉にできなかったにも関わらず、彼らは否定せずにじっくり根気よく、私の言葉が出て来るのを待ってくれました。何回もそれをやってくれたおかげで、思っていること、悩んでいることをようやく話せるようになりました。
その時の体験が、現在の私のコーチングスタイルにも繋がっていると思います。
私がコーチングの仕事を続けられたのは、あるお客様のおかげでもあります。
それまでは、単発のセッションしか手掛けたことがなく、コーチングだけで身を立てられずに、いつ辞めてもおかしくない状態でした。
そんな時に、そのお客様から年単位で契約したいと申し出がありました。当時、定期的に契約いただいたのはその方だけ、しかも初めての長期契約でした。
依頼し続けてくれる以上は毎月必ずセッションがあります。だから、たった1人のためだけであっても、自分のスキルを磨かねばならないと、学ぶことを止めませんでした。
私がコーチを続けて行こうと思えたのも、成長できたのも、この方のおかげです。本当にスゴイ出会いに恵まれたと思います。
今でも続けてくださり今年で5年目に突入していますが、当時は人生の帰路に立たされ、吹けば飛ぶような精神状態だった方が、今では心を開いて深い部分まで話せるようになり、頑なさが和らいでとても柔軟になられて、周囲の方々もその変化に驚いています。そして、今では会社の取締役としてご活躍される程になりました。
私のコーチングは、じっくり話を聴いて、寄り添うスタイルです。
ガツガツ背中を押すのではなく、隣に寄り添い、ほんの少し背中に手を添えて、その人がやりたい方向へ行けるように後押しします。
また、ウツになった経験があるので、ネガティブな感情との付き合い方も分かりますし、ネガティブな感情の奥に光り輝く宝物があることも知っています。その宝物を一緒に見つけるお手伝いをすることが得意です。
それから、自分自身が子どもの頃からコミュニケーションに悩んで来たので、人間関係やパートナーシップなども得意分野です。
私の目指す世界は、愛・信頼・安心の土台があって、1人1人が才能や個性を存分に発揮しながら、周囲のコミュニティと調和し美しいハーモニーを奏でている、という状態です。コーチングはそのための一つの道具だと考えています。
そして今後は、茶道の精神も取り入れて行きたいと思っています。
茶道は和敬清寂や禅の精神が土台にあるためマインドフルネス、心の在り方、他者との調和や、チームビルディング、お稽古を通した習慣化など、ありとあらゆる要素を包括しているので、世の中に溢れる様々な自己啓発を学ぶよりも、茶道を一つだけ学ぶことで全てを得ることが出来るくらい素晴らしいものだと感じています。
海外からマインドフルネスや瞑想など入って来ていますが、実はそれを超えるものが古くから日本にはあったんです。
私が最も苦しかった時期に、心の拠り所にしていた言葉があります。
「咲くべき時に、花は咲く」
桜の時期には、桜が咲く。
あじさいの時期には、あじさいが咲く。
そして、同じ枝でも、すでに咲いているものと、まだ蕾のものがある。
花と同じように、人間にも咲くべきタイミングがあるのだと。
私はこの言葉を頼りに、「自分の才能が開花する時が必ず来る。だから今は苦しいけれど、まずしっかり根を張ろう。」と、地道にコツコツやって来ることができました。
諦めたら、そこで終わります。
諦めなければ、あなたの才能や可能性が、必ず花開く時が来ます。
だから、大丈夫。
まずは肩の力を抜いて、
「お茶でも一服、いかがですか?」
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