2015.07.7
ところで皆さんは、自分の潜在意識の中身を、自分の目でご覧になったことはありますか?
見たことがあるという特殊な経験をされた方がごくごく稀にいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方は見たことがない、そもそも見れるわけがないだろというのが正直な答えだと思います。
目次
普通は、見ることのできない「潜在意識」は、よく氷山の絵で表現されます。
水面より上に出ている氷山の一角が1%の顕在意識で、海面下に隠れている氷山の本体が99%の潜在意識であるという絵です。
例えば、クレーム1件が氷山の一角だとすると、文句を言いたい潜在的なお客様がその裏に99人もいるなどの例でもこの絵が使われています。
このような絵をどこかでご覧になったことがある方もいらっしゃるかも知れませんが、潜在意識の中身を知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。
それでは、この潜在意識の中身とはいったいどんなものなのでしょうか?
弊社では、この潜在意識の正体を、誰にでも分かるシンプルな一枚の絵でお伝えしています。
気になるあの人の行動、ついムカついてしまう上司の言葉が、どこから生じているのか?人間の考えや感情は、いったいどこから生まれてくるのか?そういったことが、一枚の絵(モデル)で理解できるようになります。ちなみに、このようなモデルを、一般には「フレームワーク(枠組み)」といいます。
例えば米国の心理学者が唱えた「マズローの欲求五段階」というフレームワークは、人間の欲求は五段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が充たされると、より高次の階層の欲求を欲するという考え方です。
ピラミッドの下から順に、生存欲求、安全欲求、所属欲求、認定欲求、自己実現欲求と定めており、会社に就職した新社会人であれば、所属欲求までは満たされているので、次の認定欲求(就職した会社の中で認められたい)を満たそうとして行動するという風に解説されます。
潜在意識を図示したこのモデルには「ノ・ジェスの潜在意識五階層」という名前が付けられており、このフレームワークを使うことで、潜在意識の中身を五階層に分けて整理して理解することができるようになります。
▲ノ・ジェスの潜在意識五階層
まずは図の上部から順に説明していきましょう。
氷山の一角である「顕在意識1%」にあたるのが、表情・言葉・行動です。人は、相手の表情や言葉、行動など、目に見える要素を基にコミュニケーションをしていますが、その表現(表情、言葉、行動)が生まれる背景にあたるのが99%の潜在意識です。
表情よりは言葉、言葉よりは行動の方がより強く相手に訴えかける力を持っています。表情には出ているけれど言葉にはしない、発言はするけど行動はしない、というように、表情だけ、言葉だけのコミュニケーションでは影響力も違ってきますよね。
次に、潜在意識のなかでも浅いところには、表情、言葉、行動を生み出している考え・感情があります。夫婦喧嘩の際に正論(正しい考え)を言っても相手は行動を変えないように、「考え」より深くにある「感情」が納得しなければ人の言動は変化しません。
では、人間の考えや感情を生み出しているものとは、いったい何なのでしょうか?
それが過去の経験、体験からくるイメージです。イメージの中には、先入観や価値観、○×、善悪、好き嫌いといった判断基準(判断のモノサシ、色眼鏡、フィルター)、~しなければならない、~であらねばならない、といった強迫観念や固定観念なども含まれています。
また、単語に対するイメージもこの三階層に収納されています。
例えば「アップル」と聞いたら、皆さんは何をイメージされますか?
ある人は、果物の赤い「リンゴ」をイメージし、ある人はスティーブ・ジョブズの「アップル社」をイメージします。なかには「白雪姫」や「ニュートン」と答える方もいらっしゃるでしょう。アップルといった単純な単語ひとつとっても、それぞれの人が抱くイメージは様々です。では、「結婚」、「幸せ」、「成功」から浮かんでくるイメージはいかがでしょうか?
単純な単語ひとつとっても1人1人の頭の中で展開されているイメージがまったく違うということは、複数の単語を用いた文章になれば、なおさらイメージのズレは広がっていく一方です。こうして認識がズレることでコミュニケーションがズレるようになるのですが、「単語=イメージ」のつながりが人によって違うということを理解できているだけでも、コミュニケーションのミスを減らすことができます。
四階層は、電池のエネルギー残量が少ないとラジコンが動かないように、人もやる気やモチベーションなどのエネルギーがなければ、活動する気力も湧きません。逆に若い人やエネルギッシュな人(エネルギーのある人)は、元気で活動的です。
人の感情や行動の源にあるエネルギーは、潜在意識の深い方にあるので、元気があるフリをすることは簡単ではありません。つまり、エネルギーは嘘をつかないのです。
五階層のアイデンティティーは「自分自身をどう思うのか?」といった自己認識です。例えば、名刺に書かれている肩書きやその人の出身地、性別、所属する組織・団体や人種・民族・国家・宗教などもアイデンティティーを構成しています。英語だとアイアム○○で表現されることが多く、「私は日本人です」「私は医師です」などということができます。
このフレームワークをどのように活用するのかは、拙著「世界を一瞬で変える潜在意識の使い方」でご説明しておりますが、日常生活や仕事の様々なシーンにこのモデルを当てはめてイメージしていくと、シンプルでありながら奥の深いフレームワークであることを感じ取っていただけると思います。
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