2022.06.5
目次
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの業績をV字回復させた森岡毅氏は、丸亀製麺や西武園ゆうえんちの復活においても、人間の本質的な欲求を洞察し、消費者理解につなげたことで有名です。
成功している経営者、組織の中で結果を出す管理職、売れっ子の個人事業主など、成果をあげている人には共通して「本質を見抜く目がある」と言われます。
では、そもそも「本質」とは一体何なのでしょうか?
そして、「本質を洞察する」には、何をどうすれば良いのでしょうか?
本日は、その点を解説して参ります。
本質を洞察する力は、多くのビジネスマンが手にしたいと願う能力の一つではありますが、それを図解したモデルやフレームワークは殆ど存在しません。
ここでは「本質とは何か」を、6つの階層でご説明していきます。まずは、それぞれの階層の定義をご覧ください。
・300株
・「AさんがY社の株を300㈱購入した」
・「AさんがY社の㈱を300株購入した」
・「Y社は来週の金曜日、記者会見を開く予定」
・「Y社の社債が売りに出されている」
3つの情報が集まることによって「今が買い」というように、価値に変わる情報の集まりを「知識」といいます。
知識がある程度蓄積されると、パターンを発見するようになります。株価の動きを示すチャートも、特定のパターンで売りや買いを行うと儲かるというノウハウ(パターン)本がありますが、金融業界に限らず多様な業界で、「こういうときは、こうなる傾向・確率が高い」というレベルまで濃度が凝縮された情報や知識を「知恵」と呼びます。
パターンを発見し、それを実験や反証などを通して証明でき、他者が同じことを試しても再現性があると科学として認められます。
このように、特定の分野で立証された知恵は「法則」と呼ばれます。
ただし、植物学は経済学を扱わず、金融工学が分子生物学を扱わないように、ある特定の分野に対して通用する法則なので「部分的な法則」といった表現になります。
この宇宙の内にある、すべての存在と現象に共通する自然法則を真理と呼びます。
社会学・歴史学・脳科学などは地球以外の惑星においても通用するかは未知数ですが、数学・物理学は宇宙のどこに行っても通用するので真理といえます。(万有引力の法則や光の速度など)
辞書では「物事の根本的な性質・要素」と語られる“本質”。一般的には、目に見えないけれど大切なことを指して「本質」という表現が使われています。
「本質」とは何かというと、上のモデルで示した知恵・法則・真理の3つの階層です。
「本質を洞察する」とは、多くのデータ・情報・知識を導入して、共通するパターン・法則・真理を導き出すことを意味しています。
例えばビッグデータ解析やAI(人工知能)を用いたパターン分析など、大量のデータや情報をインプットすることで共通パターンや法則を見つけ出そうという試みは、多くの企業と研究機関が取り組んでいます。
一度「法則」が見つかってしまえば、複雑にみえる事象もシンプルに理解できるようになります。天気予報の市場規模は1500億円近くありますが、気象予測のモデル(パターンや法則)を科学的に導き出せれば、そこから精度の高い気象予測を行うことができます。もし地震の発生を高精度で予測できる方程式が見つかれば、その法則は大きな富をもたらすでしょう。
そのように「本質を洞察する=法則を見出すこと」が自分たちの利益につながるから、多くの人と組織が取り組んでいます。
一般社会では、ケーススタディや事例、やり方を学ぶことによって結果を出そうとする傾向が強いですが、本当に成功している人に共通する点は、本質(やり方や考え方、思い方のベースにあたる在り方・メカニズム)を理解できている点です。
これからみなさんが成功したい、幸せになりたいと願うのであれば、やり方に執着するよりも、考え方や思い方をマネするよりも、それらの基本土台となっているメカニズムや法則、「在り方」が何なのかを理解するほうが早く正確に結果を生み出せます。
つまり、たくさんの「やり方」を覚えるよりも、たった一つの「法則」を学ぶほうが効果的なのです。
結果を出している人や成功している経営者などが「本質」を大事にするのには、こうした背景があります。
人間関係やコミュニケーションにまつわる法則が分かってしまえば、ノウハウ(知識)やケーススタディ(情報)を詰め込まなくても、簡単に成果を出せるようになります。潜在意識のフレームワークは、本コラムでも順を追ってお伝えしていきますので、ぜひ楽しみにしておいてください。
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