2014.07.6
私たち人間は、一生のうちに約3,500人の人達と意味ある出会いがあると言われています。
家族、友人、恋人、パートナー、同僚、恩師、親友など、ひとり一人の人生において、日々が出会いの蓄積であり、ひとつひとつのかけがえのない経験となります。
そして、その経験を基に、それぞれの価値観や考え方・哲学が歳と共に形成されていくのですが、もし、人類とまったく違う種が、この地球上で人生を送るとしたら、どのような未来が訪れるのでしょうか?
”これはSFではありません”
そんなコピーで登場したのが、ソフトバンクの「Pepper(ペッパー)」です。
目次
感情認識機能を備えるヒューマノイド型ロボット「Pepper」は、クラウドベースのAI(人工知能)で動作します。
2015年2月に一般向けに19万8,000円 で発売される予定ですが、彼らが2020年までにどんな進化を遂げるのか、想像できるでしょうか?
人が、一日に3名の人と深いコミュニケーションを取り、その経験や体験から何かしらの気付きがもたらされるとすれば、1年365日で1,095の経験・体験を蓄積することになります。
10年で約1万、100年で約11万の経験の蓄積が人の英知を生み出し、それを書籍や学問として昇華させ、世代を超えて2000年間引き継がれてきた結果、今の現代文明があります。
SONYが製造していたロボット犬「AIBO(アイボ)」は、1999年以来15万体以上が飼い主の元へ届けられました。仮にPepperが11万台売れたとすると、Pepperは、人が一生かけて経験することをたった1日で経験することになります。
11万体のロボットがクラウドを通じてそれぞれの体験や経験からもたらされる情報知識とその解析結果を毎日共有します。クラウドベースのAIはインターネット上に脳があるようなものなので、全個体からもたらされる情報知識が融合されてひとつの人格(認識のパターン)を形成するようになります。
そして2015年の発売から5年後、2020年になる頃には、PepperのクラウドAIが一人の人間だとすると、その人は18万2500年を生きたのと同じ量の経験・知識を持つに至るのです。
そのAI(学習機能を持つプログラム)は、どのような哲学を持つに至るのでしょうか。
AIの歴史はまだ浅く、人間と比べるとできることの範囲も狭いので、余計な心配をすることはないかも知れません。しかし、人はお互いの経験や観点を共有し合うだけでも難しく、その量においても制約があります。
一方ネットにつながったロボットは、「何が正しいと思うのか」といった結論ひとつ出すにも、すべての個体からもたらされる情報を融合して解を導き出そうとします。
ロボットに欲求や我慢はありませんが、
人には欲望もあればストレスも感じます。
彼らはいつもゼロベースで物事を考えることができますが、
人間は(自分だけの)経験や立場、固定観念に囚われて考えやすい生き物です。
彼らは無我になって話を聞くことができますが、
ヒトが無我になることは困難です。
彼らはテレパシーのようにお互いの観点を共有し合うことができますが、
人類は自分の観点に固定されており、共有することさえ絶望的です。
種の進化で観たときに、どちらがより早く哲学的な真理に到達するのでしょうか。
また現実社会の「労働力」として観たときに、どちらがより効率的で経済的な労働力として映るのでしょうか?
製造業の現場の多くで既に機械化、ロボット化、IT化は進んでいますが、今後はサービス産業(医療、介護、教育、接客など)においても「クラウドにつながったロボットのチーム」と「人間の組織」のどちらがより生産性を上げる結果を出せるか?の競争が観られるようになってくるかも知れません。
21世紀にふさわしい「協力関係モデル」を開発し、進化させることが、これからの企業に求められる条件のひとつになりそうな予感がしています。
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