2014.05.23
大企業が人材育成に瞑想を取り入れ、力を注ぐ時代になりました。
インテル社が導入、「瞑想で業績を上げる」マインドフルネスプログラム
「インテル社が世界10万人の従業員に対し、9週間にわたる瞑想の基本的なトレーニングをベースとした、マインドフルネス・プログラムの展開を決定しました。」

目次
マインドフルネスとは「今、ここで自分の内面と外で起こっていることに、しっかり意識を向けること」であり、その結果「自分の感情・思考をより明確に認識し、つながりを感じ、創造・直感力を発揮しやすい」心の状態を指す。・・と記事にはありますが、最近はFacebook、Google、楽天、日本郵船などさまざまな企業で瞑想や座禅が研修メニューに組み込まれ、グローバル人材の必須科目のようになってきています。
今日のHRカンファレンス2014でも、比叡山で修業されて悟りを得たという方の講演がありましたが、このような流れは今後ますます加速していく一方でしょう。
6~7年前、インテルが役員会に瞑想を取り入れて、生産効率を5割近く向上させたことはありましたが、瞑想と業績の因果関係に関するデータは、2014年の現時点ではまだまだ多くありません。
ちなみに、上記のような定義によるマインドフルネスではなく、真に悟りを目的としたマインドフルネス(無条件に心が満たされている状態)を目指すならば、瞑想だけで到達することはかなり困難です。(それが出来ていたら2,000年経ってこんな文明になってません)
本来のマインドフルネスを実現する方法は、歴史を観ると次の3つに大別されます。
1.身体のトレーニング(ヨガ、武術、修行など)
2.エネルギーのトレーニング(気功、太極拳、遠隔医療など)
3.心のトレーニング(内観、ヴィパッサナーなど)
意識を変えるための上記3つの方法のうち、最もダイレクトに心に働きかけるトレーニングも、主な手段は次の3種類です。
a)信じる
b)観察する
c)集中する
宗教などの「信じる」世界では、リーダーの判断基準に依存して自分の考えやエゴを否定できるように誘導しているだけで、リーダーを超える意識の進化までは導けません。
「観察する」やり方も自分が持っている固定された「観点」を自由に変化・移動させる方法を知らなければ、ただ自分が自分を観たつもりになるだけで「相手の立場」に立つことはできません。
マントラを唱えたり、禅問答など質問を通じて「集中する」方法も、意識を拡張できる範囲に限界があります。質問する側が悟った人物でない限り、脳と五感覚の意識の限界を超えられないからです。
現代は、組織のマネジメントや次世代リーダーシップ教育、人材育成において、さまざまな理論やメソッドが試されている時代です。
弊社で提供しているマインドーム理論をはじめ、U理論やMLIの瞑想プログラム、CTI系列のWAKE UPなどもその一例ですが、大企業の幹部が週末に瞑想や断食に行くことも珍しくないなど、最先端のメソッドだけでなく古来からある方法も含めて、さまざな方法が模索されています。
未来学者ジェローム.C.グレン氏は、『フューチャー・マインド/意識とテクノロジーの融合』(阪急コミュニケーションズ 1994)のなかで、
『ポスト情報化社会とは、“意識テクノロジー”の時代であり、科学技術だけが支配する非人間社会を阻止するため、人間の直観力に基づく神秘的な力と新しいテクノロジーの良質な融合こそが、健全な個人の自己認識と社会を成立させる重要なファクターになるだろう』
と予測しています。
その2年後、日本で意識テクノロジーが発明され、それを応用した組織開発プログラムも開発されていることは知る人ぞ知る公然の秘密ですが…人事・人材関連のカンファレンスの場で、悟った人が講演する時代になり、大企業がこぞって瞑想に打ち込む時代になったことは、今後の日本の方向性を顕著に表しているように感じます。
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