2015.05.16
毎年のように企業が新人に求める能力のトップに「コミュニケーション能力」がランクインしていますが、最近では企業が求める人材のイメージも次のように変わってきました。
目次
・条件・状況・環境に左右されず、自ら心の平和を保てる人材(心の健康)
・多様な価値観を有する人々と相互理解を深められる人材(ダイバーシティ)
・組織の構成員と信頼関係を築き、協力して問題解決できる人材(チームプレイ)
・己の思い込みから出て、客観的に自分を認識・観察できる人材(メタ認知)
・自分の現状を理解し、率先して自ら変化・成長してゆける人材(主体性)
このような条件を満たす人材を「グローバル人材」と呼び、世界中で育成する動きが広がっています。しかし、そこはあくまでも「理想の人材像」、実際に育成する(人が変化する)のは簡単ではありません。
しかし、世界中の多国籍企業や業界トップの企業では、「心の健康」「ダイバーシティ」「チームプレイ」は必須能力となっており、これらの条件を兼ね備えた人材にならなければ「仕事ができない人」という烙印を押されてしまいます。
実際あるNGOの会議で象徴的なシーンがありました。次のサミットのテーマを決める会議だったのですが、出席者の約半数がまだ仕事に慣れていない若手で、残り半数は熟練の古参という構成。その若手と古参のコミュニケーションスタイルには次のような違いがあったのです。
・自分の出した意見に固執しやすい(観点が固定)
・あまり他人の意見を取り入れようとしない(話を聞けない)
・自分の非力や弱さを認めず他者批判の傾向がある(他罰傾向)
・自分の価値基準が何に立脚しているか自覚がない(無自覚)
・具体論や成功者のやり方を重視する(モデル依存)
・被害者意識が強く、思い込み=事実と認識している(認識)
・異なる意見を受け入れ楽しむ余裕がある(観点が自由)
・他人の観点を取り入れる姿勢がある(話を聞ける)
・自分の苦手分野、弱点を認識しており自己責任の意識が強い(自罰傾向)
・自分の価値基準は自覚しており変化の意思がある(自覚)
・本質論やトライ&エラーを重視する(行動検証型)
・事実を確認して思い込みを正す習慣がある(認識)
この会議では、特に入社したばかりで仕事に慣れてない50代の新人Aさんと議長補佐を務める30代の幹部Bさんの違いが際立っていました。
Aさんは前々回の会議で既に決まったことを蒸し返して顰蹙を買い、議論の前提を確認せずに自分の思い込みを事実として語ることで議論をミスリードし、自分の意見が取り入れられないと感情的になって早口でいろんな理由を並べ立てて憤慨するなど、誰から見ても「自分のことしか考えてない」と思われても仕方のないような言動が目立ちました。
一方、Bさんは、自分の出した意見と他の参加者が出した意見が衝突しそうになったときにも上手く両者の良さを融合させ、自分の主張には拘らずに組織全体の目的に沿って有用でなければ自分の案を却下する姿勢の持ち主でした。また、相手の立場に立って使う単語や例え話を変えたり、各参加者に発言の背景を質問してくださるので、場全体の相互理解が深まり、「この人は参加者全員のことを考えながら進行してくれている」と感じるような態度や振る舞いが印象に残りました。
皆さんなら、どちらの人と友達になりたい、或いは一緒に仕事をしたいと感じるでしょうか?
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