ストーリー

Story

期待が裏切られるメカニズム(要求レベル)

2015.05.13

昨夜、仕事仲間と「対話するトランプ」で遊んだ際、あるメンバーが「家族・親族を裏切ったことは?」という質問を最後に投げかけました。

「裏切られた」と感じた体験談は数名から出てきましたが、自分が相手を「裏切った」シーンってなかなか思い浮かびません。

裏切りとは?

そもそも裏切りって何でしょうか?

私は「片想いからくる認識の結果」かな~と感じています。

漠然とした期待は100%裏切られます。

片想い=漠然とした「期待」を契約書にまで落とし込んで相互確認し、サイン・捺印して「裏切ったら○○ね」と念を押すことはあまりないからです。

なぜなら一般的に、その濃度の期待は「要望・要求・要件」という名で呼ばれ、「期待」としては認識されていないから。

「期待」という単語を使うときは、だいたい「契約書や覚書を締結するほどではなく、相手に対する期待を表現する(要求する)ことも少なく、その実現を約束してもらった(指きりげんまんした)わけでもない、一方的な願い」のかたちを取ることが多くないでしょうか。

あなたの「一方的な期待」を相手が認識していなければ、そして「あなたの期待に応えること」を約束したのでもなければ、ほぼ100%その期待は裏切られることでしょう。

ということで、最後に要求レベルをまとめて整理してみたいと思います。

 

要求レベル

要求レベルの8段階

Lv0 思い込み

Lv1 期待

Lv2 願い

Lv3 要望・要求

Lv4 ルール・規定

Lv5 契約

Lv6 業界標準(常識)

Lv7 法律

 

要求レベルの解説

Lv0 思い込み

根拠がない状態で相手が自分の為に、何かしらの行動をしてくれると妄想すること。

 

Lv1 期待

過去の相手の言動をベースに、きっとあの人は自分に対してこういう行動をしてくれるだろうと勝手に推測すること。

 

Lv2 願い

相手に特定の言動を望む強い想い。願いを言葉にすることもあれば、言葉として表現しないこともある。表現されない願いは祈りのイメージに近い。

 

Lv3 要望・要求

言葉や書面等で相手方に対して特定の言動や振る舞いを求める行為。契約を締結しているわけではないので、一方的な要望・要求であるケースが多く、相手方がその言動や振る舞いをすることを了承していないケースが多い。

 

Lv4 ルール・規定

ある関係や特定のコミュニティ・組織内において、構成員が了承した行動様式のこと。そのコミュニティ内では一般常識でも、他のコミュニティでそれが常識であるとは限らない。ルールや規定を破った人物に対しては、当該コミュニティ内における処罰等があり得るが、コミュニティ外では効力を有さないレベル。

 

Lv5 契約

組織を超えて、当事者同士が特定の行動に対して合意した事項を書面化し、サインや捺印を伴う形で締結した関係性の形式。法的拘束力を伴う為、契約違反に関しては該当する法律による制裁や処罰を行使する権利が双方に与えられる。法に定めのない事柄に関しても双方合意の上で行動等を縛ることが可能。

 

Lv6 業界標準(常識)

ある特定の業界内において常識とされる行動様式のこと。暗黙のルールと言われることもあり、契約締結などの行為を必要としないことが多い。その業界におけるスタンダードに従わない場合は、経済的不利益を被る可能性が高く、特定のコミュニティ内における立場を失い、評価を下げることにも繋がる。

 

Lv7 法律

特定の国家において等しく人民に求められる行動様式のこと。法律として明文化されており、契約締結などの行為を必要とせずに、すべての市民に適用される。当該法律の存在を知っている/いないに関係なく、その内容に背いた場合は規定の処罰等が適用される。

 

いかがでしょうか。このように要求レベルを分けて認識してみると、期待は100%裏切られるのが当然に見えてくると思います。

あなたも誰かに期待するときは、「言葉にしない片思い」になってないか?をご確認ください。



関連記事

書籍紹介

世界が一瞬で変わる潜在意識の使い方
Amazon 1,540円

潜在意識の構造を21のフレームワークで解説したビジネス書。2015年10月にAmazonランキング2位を獲得し、2018年4月にも明林堂書店の週間ランキングで3位にランクインするなど、根強い人気を誇る。

ツール紹介

対話するトランプ2
Amazon 2,980円

コミュニケーション能力を測定できるカードゲーム。採用試験で応募者のコミュニケーション能力を数値化して把握することができ、営業社員の能力開発にも最適。研修やグループワークで人気の一品。