ストーリー

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マスコミが隠したい思考操作術

2014.08.15

9.11の「同時多発テロ」事件、その後に制定された「愛国者法」に、もし皆さんが自由に名前を付けられるとしたら、どんな名前を付けますか?

ネーミングが思考を操作する

変な質問から始まりました(笑)が、どうしてこんな質問をするのかというと、この「ネーミング」が思考を操作し、世論を誘導する際の一番大きな鍵になるからです。

例えば、今このブログを読む際に使っているデバイスは何ですか?と尋ねれば、「PC」「スマホ」などの答えが予想されますが、では「なぜ、それはPC/スマホなのですか?」と尋ねたら、どう答えるでしょうか?

「なぜって、そういう名前だから・・」

これまで多くの方に尋ねたところ、こういう反応が一番多かったのですが、理由はなく単にそう教えられたから、皆がそう呼んでいるから、というのが次に多かった答えです。

実際、フォークのことをスプーンと呼べば馬鹿にされますし、「ボールペン貸して」と「お金貸して」では意味が全く異なってきます。

何が言いたいかというと、私たちが日常で使っている言語のほぼすべては、暗記して覚えた単語にもとづく暗記言語だということです。

 

暗記言語が思考のベース

言語をベースに思考し、思考をベースに学問ができ、学問をベースに社会秩序が創られているのが今の時代です。

その根本土台にあたる言語をひとつでも自分で創ったことのある方は少ないのではないでしょうか?そして、自分の思考の土台にあたる言語のすべてが、これまでに覚えて暗記したものがベースになっているとしたら、いまの考えは本当に自分オリジナルの考えだと言い切れるのでしょうか。

その選択、その意志決定は、本当にあなた自身が世界から独立して下した意志決定だと言い切れるのでしょうか。

 

単語=イメージ

それぞれの単語・名前には、指し示す対象(存在や現象など)があります。台風という名前を聞けば台風のイメージができますし、リンゴにはリンゴのイメージがあります。

では逆に「名前がついてない存在」を人はイメージすることができるのでしょうか?

30年前の日本には、次の単語や名前はなく、人々の意識にもそういった現象や存在は殆ど認識されていませんでした。

ストーカー、WEBデザイナー、家族狩り、インターネット、新型うつ、スマホアプリ、いじめ訴訟

名前は毎年のように新しく生まれ、幾つかは辞書に掲載されていきます。新種を発見した学者が生物に名前を付け、社会現象にはマスコミが名前を付け、法案には政治家が名前を付ける。

名は体を現す。と言われたように、名前を見聞きしてその内容や実体を推し量ろうとするクセが人間にはある為、法案の中身を全文読まずに名前の印象でイメージするし、現象の全容を理解せずに名前で概要をイメージします。

名前Aはこういう定義、名前Bはこういうイメージ、と。

レッテルを張った方が理解し易くなり(というか理解した気になれる)、中身を見ずにラベルで判断できれば大切な時間も節約できます。しかし、名前を付けた時点で輪郭(境界線)が生まれ、本質的には繋がっているのに認識されずらいからという理由で切って捨てられてしまう範囲が生じます。

だから、名前に囚われると本質を見失い、すべての繋がりを無視することになります。

 

誘導される思考

この「単語=イメージ」、「名前=定義」をベースに、何が良い/悪いことか?も同じように教育していけば、判断基準と判断材料を揃って(暗記ベースで)提供された人間個人の考えは、名前や定義、価値基準を提供した側のいいように誘導されていくようになります。

現代は痩せている方が美しいとされていますが、ルネッサンス期の裸婦画に書かれた美女は大抵ふくよかです。現代日本で殺人を犯せば刑務所に入れられますが、200年ほど前までは隣の県(敵国)の人を大量に殺した人が英雄となる時代でした。

 

コミュニケーションのズレを生む暗記言語

善悪、美醜、すべての価値判断の基準が、与えられた暗記言語をベースに構築されています。いまのあなたの脳の中にある思考の構成要素は、どこから仕入れたものでしょうか?

そして、それぞれの持っている範囲の情報知識・経験体験をベースに「価値観」が創られていると考えると、コミュニケーションのズレはどう説明できるでしょうか。

暗記言語がそもそもの問題であり、それを前提にするからコミュニケーションにおいて意志疎通が難しくなるという観点で、皆さまも是非気付いたこと感じたことをブログやSNSで書いてみて頂けると幸いです。

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