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コミュニケーションが上手な人の「3つの特徴」

2022.06.3

仕事ができる人に共通する3つの条件とは?

コミュニケーションを取りつつ人間関係を良いものにしたい。

多くの人が少なからずそのような思いを抱えていると思います。

しかし、必要なのは小手先の「テクニック」や「スキル」に頼らず、自分自身の「潜在意識」をきちんと理解することです。

「人間関係がうまくつくれずストレスを抱えている」「人とのコミュニケーションが苦手」という人は、潜在意識という点から見たとき、次のような課題を抱えていることが少なくありません。

●自分が出した意見に固執しやすい(観点の固定)
●他人の意見を取り入れようとはしない(話しが聞けない)
●自分の非力さや弱さなどを認めず他者批判の傾向がある。(他罰傾向)
●自分自身が何を基準に判断しているのか自覚が無い。(判断基準に対して無自覚)
●具体論や、成功者のやり方を重要視する(モデルに依存)
●思い込み=事実と認識する(認識の重要性)

とくに「観点」「判断基準」「認識」の3つは、潜在意識を理解する上で重要です。

職場で必要とされる人材の特徴

人間関係がうまくつくれず、かつコミュニケーションを苦手としている人は「自分の考えが正しい」と思い込み、人の話しが聞けないので「観点」が固まっています。

つまり、無意識に自分自身が正しいという前提で、他者と関わり、他人を〇×しやすい傾向があるのです。

潜在意識にもアプローチしていないので、自分の思い込みに気づかず、経験・体験したことをすべて事実と思ってしまい、コミュニケーションを取るたびに相手とのズレが広がり、人間関係は悪化。悪いことやイヤなことはすべて人のせい、環境のせいにしがちです。

その一方で、人間関係をうまくつくれる人は、異なる意見や考え方を楽しめる自由な観点を持っています。人の話を前向きに聴く姿勢があり「すべては自分次第」と物事を捉えることができています。

潜在意識にアプローチして自分の判断基準を自覚できているため、成長スピードも速くなります。自分が経験・体験したことが必ずしも事実とは限らない、ということを理解しているので、折に触れて自分の認識と相手の認識をすり合わせ、事実を確認する習慣も持ち合わせています。

観点が固定されて、自分の判断基準にも無自覚、思い込み=事実となってしまう前者のような人は「自己チュー人材」として扱われます。

反対に後者のような人は「グローバル人材」として、これからの時代、多種多様な企業で必要とされています。

グローバル人材の定義

ポイントを整理すると「自己チュー人材」とは次のような特徴を持っている人になります。

  1. 観点が固まっている
  2. 自分の判断基準に無自覚
  3. 思い込みを事実と言い張る
  4. 全て環境・他人の責任にする(他責)

逆に「グローバル人材」とは、次の特徴を持っている人物を意味します。

  1. 観点が自由である
  2. 自分の判断基準を自覚している
  3. 事実と解釈を分けられる
  4. 「すべては自分次第」と物事を捉える(自責)

働き方が多様化し、いろいろな価値観の人とコミュニケーションを取ることが求められる現代、グローバル人材が必要とされていることは明白です。

そのことを、ある職場の中堅社員Aさんをモデルに解説してきたいと思います。

たった1人が会社の損失を拡大させる

中堅社員Aさんは、勤続15年の中堅社員で現場のリーダー的ポジションです。

後輩への面倒見もよく、慕う後輩も多いのですが、「会社の上層部にはロクな人間がいない」と言うのが口癖でした。たとえ優秀な上司が赴任してきても彼の口癖は治らず、むしろ反骨的な態度を取り続けていました。

Aさんは、上司や会社からの指示や改善命令にも従わず、勝手な行動が目立つようになります。自分はテレビドラマの主人公のように思い込み、正義のヒーローを気取りながら「会社の上層部=悪」の構図で戦うようになりました。

勝手に仕様変更を行ったり、根も葉もない噂をコンプライアンス室に内部告発して大騒動になってしまったりと、彼の暴走はエスカレートしていったのです。

Aさんの状態を整理すると以下のようになります。

  1. 会社の上層部=悪という意見に固執(観点固定)
  2. 周囲の評判の良い上司が来ても自分の意見を変えない(判断基準に無自覚)
  3. ミスをしても会社や組織に責任転嫁をする(他責)
  4. 自分の思い込みと事実を混同している(認識=事実)

まさに「自己チュー人材」というのがお分かりいただけるかと思います。

Aさんには、どのような未来が待ち受けているか、みなさん想像できますか?

今後会社や組織としては、以下のリスクが発生する恐れがあります。

  1. Aさんが社内規定やルールを守らず、顧客からクレームが発生する。
  2. Aさんへの不信感から、職場の人間関係が悪化し、確認事項が増えて生産効率が低下する。
  3. ①、②により本来必要ない業務が増加し、人件費が高くなる。
  4. ③により、営業利益を圧迫する。
  5. 結果として、会社には損害が出てしまう。

このように、自己チュー人材が一人でも職場にいるだけで、業務量を増加させたり営業利益を低下させるリスクがあるのです。Aさんを入れ替えて部署異動などができれば良いのですが、多くの企業では人材が不足しており、さらに中堅社員のスキルをすぐに代替することなどは現実的に難しい状況です。

もし彼が成長すると・・?

そこで求められるのが、前述した3つの条件です。仮にAさんがグローバル人材のような素質を身に着け、変化・成長できたら、これらの問題はどのように変わるのでしょうか?

  1. 確かに会社には変わった人もいるが、優秀な方もいる(観点自由)
  2. 周囲の評判や、本人との面談を通じて信頼関係を築ける(判断基準を自覚)
  3. すべては自分次第だと考え行動するようになる(自責)
  4. ちゃんと事実確認して誤解を解くことができる(認識≠事実)

以上のようになり、周囲の環境も変化していきます。

  1. 対話を通じて信頼関係を構築できるので、会社に対して反抗的な態度をとるのではなく、建設的な意見を言い合えるようになる
  2. 職場内も不信感にあふれてしまうのではなく、信頼関係があるので業務スピードも上がり、生産効率が上昇していく。
  3. 対話を通して部署の風通しが良くなり、改善案などが上がりやすくなる。よりクリエィティブに仕事ができるようになる。
  4. 結果として、会社の利益率が改善していく。

つまり相互不信を土台にした関係性ではなく、より良い関係性の構築を土台としたクリエィティブな職場環境へと変化していきます。グローバル人材が一人いるだけで、これだけ職場にも大きな影響を与えていくのです。

潜在意識レベルでの自己理解が必要

Aさんの話は1つの例ですが、みなさんの職場にも「ちょっと変わった決め付けをする人」や「自分のことしか見えてない人」はいないでしょうか?

コミュニケーションが上手な人に共通しているのは、1)観点が固定しておらず、2)自分の価値観や判断基準を自覚できていて、3)認識と事実を混同しない点でした。

いうなれば「どれだけ深く、自分自身のことを理解できているか」が鍵なのです。

ぜひ、ご自分の潜在意識を理解してコミュニケーション能力を向上させ、良好な人間関係の構築に役立たせてください。

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